「検察なめんな」法廷で上司が証言 取り調べ映像「見ていなかった」

大阪地検特捜部が手がけた事件の取り調べ中、容疑者に「検察なめんな」と大声で怒鳴ったなどとして、特別公務員暴行陵虐罪に問われた検事、田渕大輔被告(54)=現東京高検=の第3回公判が24日、大阪地裁であった。この事件の捜査を取り仕切る主任検事だった蜂須賀三紀雄検事(53)=現千葉地検刑事部長=の証人尋問があった。 蜂須賀検事はこの日、問題となっている取り調べの映像について、捜査当時は見ていなかったと証言した。田渕被告は検察官への任官が自身より1年後で、「(自分と)同等程度の経験をしている」「ベテラン」だとの認識を示し、取り調べの留意点なども事前に伝えていなかったと話した。 蜂須賀検事の証言によると、問題とされている取り調べについては10日ほど後に報告を受けたが、その後の取り調べは穏やかに続き、容疑者側からの不服申し立ては無いとも伝えられたという。このため、取り調べ映像を確認するという「考えに至らなかった」とした。 ■取り調べは「適正さを欠く」が… 映像確認後は、田渕被告の取り調べは「適正さを欠くと思った」としつつ、どの部分が不適正かと問われると「どの部分がどうとかはない」などと回答を避けた。 この事件で特捜部は、2019年12月5日に不動産会社の元部長ら5人を業務上横領の疑いで逮捕した。 特捜部は、不動産会社の当時の社長だった山岸忍さん=のちに無罪が確定=が犯行に関与していると疑っていた。田渕被告は山岸さんの関与を否定していた元部長の取り調べで、「検察なめんな」などと発言した。 蜂須賀検事は元部長らの逮捕翌日、「上級庁(最高検)からは色々ご指導いただいており、本当に悪いやつの処分をどうするか、早めの中間報告を求められている」などとするメールを、田渕被告ら部下の検事に送っていたことが明らかになっている。 蜂須賀検事はこの日の証人尋問で、「悪いやつ」とは山岸さんを指していたと認めた一方、「最高検から強く(逮捕するべきか)どちらかという話はされていないと思う」と証言した。 ■次回は弁護側が立証へ 田渕被告は公判で無罪を主張している。検察官役を務める指定弁護士側の立証はこの日で終了。10月6日に指定された次回の公判では、無罪を主張する弁護側の立証が始まる。 この日の公判後に会見した田渕被告の弁護人は、「特別公務員暴行陵虐罪の立法経緯などを踏まえて、今回の取り調べが罪に当たらないことを立証していく」と述べた。(新谷千布美、仙道洸)

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