韓国南部に位置し、数ある観光地のなかでもリゾートスポットとして人気の高い済州島(チェジュド)。だが、同地で行方不明になった30代女性をめぐる警察官の“虚偽処理”が波紋を呼んでいる。 地元メディアなどによれば、女性が行方不明になったのは今年の5月12日。女性の交際相手が3日後に警察に通報したが、担当警察官は「女性と連絡が取れた」「居場所を教えないでほしいと話している」と虚偽の説明をしていたことが判明した。 女性の家族が7月中旬に再び届け出を提出し、8月24日に大規模捜が行われ、女性が滞在していた宿泊施設から約400メートルの場所で遺体が発見されたという。 「さらに大規模捜索の過程で、最初に届け出を受理した警察官が女性と連絡を取った記録がなかったことも判明。届け出の受理から約2時間半後に、女性の安否確認をしないまま終結処理していたというのです。 この警察官は昨年3月以降、298件の失踪事件を処理しており、別の60代男性の行方不明者についても不正に終結処理をしていた疑いが持たれています。済州警察庁は25日、この警察官を職務放棄などの疑いで逮捕し、彼が担当してきた失踪事件について再調査を進めているということです」(地元メディア記者) 警察官の信頼を大きく揺るがす事件に、ネットニュースのコメント欄では《不穏な何かを感じますね》《どえらい物騒な事件じゃないか》と驚く声が続々。 遺体で発見された女性について、一部メディアでは“遺体の状況などから事件性は低い”とも報じられているが、この事件だけでなく、済州島では行方不明となっていた人の遺体が相次いで見つかっており、波紋を呼んでいる。そんななか、ネットではこの事件をきっかけに元人気アイドルの“恐怖体験”が再注目されているのだ。 その人物とは、韓国の人気歌手ソン・ヒョヌ(29)。'17年放送の韓国オーディション番組『PRODUCE 101シーズン2』に出演し、'19年7月に4人組ボーイズグループ「LIMITLESS」のメンバーとしてデビュー。だが、'20年8月にメンバーのユン・ヒソク(29)が脱退宣言して以降、グループは事実上の解散状態にあり、ソン・ヒョヌはソロ活動を続けている。 そんなソン・ヒョヌは今年2月下旬、自身のYouTubeチャンネルで“済州島で殺されかけたエピソード”を告白していたのだ。 時期はソロ活動を始める直前の'21年で、当時、楽曲のインスピレーションを得るため済州島の東端にある城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)を訪れていたという。宿泊先に到着したソン・ヒョヌは、夕食を食べるため周辺の飲食店を探すなか、暗い道にポツンと佇む一軒の店を発見。 入店したものの、自分の後ろに座っていた男性が、注文を取りにきた外国人と思しき店員に「何を言ってるのか分からないのか!」などと罵詈雑言を浴びせていたという。男性は酒に酔った状態だったといい、ソン・ヒョヌは店員の困った様子を見かねて、男性に「静かにしていただけませんか」と声をかけることに。 だが、男性は「お前に何の関係があるんだ!」と逆上し、ソン・ヒョヌと口論に。その後も、男性は「お前は何様だ?」などと執拗に詰め寄ってきたものの、相手にしないようにしていたという。最終的に、店のオーナーが間に入って男性を退店させてくれたというが、ソン・ヒョヌが恐ろしい目に遭ったのは会計を済ませて店を出た後だった。 辺りが真っ暗のなか車の陰から「こっちに来い」と呼ぶ声が聞こえてきたため、声のする方に近づいて行ったという。すると体格のよい丸刈りの男性がぬっと現れ、両手を後ろで組んだまま近づいてきて、酒に酔った状態で「お前、ケンカ強いのか?」と凄んできたとのこと。 ソン・ヒョヌが「さっきの仕返しに来たんだな」と直感したのも束の間、男性は後ろに隠していた刺身包丁をソン・ヒョヌに向け、再び「お前、ケンカ強いんだろ?」と挑発。さらに男性は包丁を握っていた右手を包帯で固定していたといい、対抗手段がなかったことから逃げることを決断したという。 ソン・ヒョヌは「興奮しないで話し合いましょう」と男性をなだめながら後ずさりし、道路の反対側に移動した瞬間に猛ダッシュ。そのときのことを、「暗闇で何も見えないなか、ただ前方に見える街灯の光だけを頼りに、必死に飛び跳ねるように走り続けました」と回想していた。 だが、走りながら後ろを振り返ると、「おじさんが包丁を持ったまま、ものすごい勢いで追いかけて走ってきているのが見えた」といい、民家の石垣の陰に身を潜めて男性が通り過ぎるのを待ったという。 その後、ソン・ヒョヌは宿泊先に戻ってから通報し、駆けつけた警察官から男性が現行犯逮捕されたことを知ったという。また、安全確保のため警察車両で別の場所に移動する途中で、警察官から「実は、済州島ではこういうことがよくあるんです。海沿いの地域には船員の方が多く、刃物で脅してくるような人も珍しくないので、注意しなければならないんです」と聞かされたと明かしていた。 そして帰宅から数カ月経った後、自身を包丁で脅してきた男性が起訴され、実刑判決が下されたという知らせが警察署から届いたという。ソン・ヒョヌは「もしあの時、逃げずにあの男に立ち向かおうとしていたら、間違いなくその場で殺されていた。本当に逃げて正解だった」と実感したといい、「済州島の夜の海沿いや路地裏は本当に危険な場合があります」「遅い時間の一人歩きや外出はできるだけ控えることを強くお勧めします」と注意喚起していた。 30代女性が済州島で行方不明になった事件が波紋を呼ぶなか、改めてソン・ヒョヌの“恐怖体験”を思い出した人もいたようだ。動画のコメント欄には連日のように書き込みが増え、韓国語で次のような声が寄せられている(以下、《》内は編集部訳)。 《今、あまりにも不気味でゾッとする話題が頭に浮かんだので、また来てみました…》 《済州島の事件のニュースを見て、これを見ると本当に身に染みてくる……》 《うわぁ~ 話を聞くだけでもすごく怖い……。若い男性だったから、なんとか走って逃げられたけど……女性や年配の人だったら、そのまま大変なことになりそうでしたね》