シリーズ「総力報道・追跡」です。 釧路市の障がい者支援施設で元職員による入所者への度重なる暴行が明らかになりました。以前この施設で働いていた女性が語る施設の実態とは。 元職員) 「暴力で押さえるしかなかった」「人にハエがたかっている」「異常だと思いながら働いていました」 施設内で常習化していた職員から入所者への暴力。入所者の男性はなぜ命を落としたのか。施設の驚くべき実態が元職員の口から語られました。 元職員) 「虐待とか体罰とか劣悪とかどこを指して言うのかなという疑問があるんですけど、“全員”だと思います。」 釧路市の障がい者支援施設「鶴が丘学園」。 全国各地から、80人ほどの入所者がここで生活をしています。「真の福祉」をポリシーに掲げるこの施設で今年5月職員2人が逮捕、その後起訴されました。 元職員の阿部弘樹被告31歳。 2024年3月、ソファに座っていた当時44歳の入所者の男性を突き倒すなどの暴行を加えた罪に問われています。 同じく元職員の髙橋海吏被告29歳は同じ男性への暴行のほか別の入所者3人にも暴行を加えた罪で起訴されています。 被害者の母親) 「皿を廊下に落としただけで蹴飛ばして、壁にバーンって当てて、あれはもう完全なる虐待と暴力だって」 高橋被告に腕をつかまれ壁に押し付けられた男性の母親です。 重度の自閉症を持つ息子が月に1度家に帰ってくると、頭に傷を負っていたこともあったと言います。 被害者の母親) 「(職員と)コップを取り合って水を飲んでいたら、人のコップだからと先生が取ったら、(額に)2センチの傷があって血が出たと思う。多分その先生じゃないかなと思って。信頼して預けているのに、信用がなくなった。どこまで信じていいのか分からない」 元職員)「阿部被告が廊下を歩くと利用者が逃げるという風になっていましたね。小さなお子さんとかと一緒で怖いからですよね」 数年前まで「鶴が丘学園」で働いていた女性は阿部被告と髙橋被告が入所者に暴力をふるう様子を度々目撃していました。 元職員) 「阿部さんにしても髙橋さんにしても友達なんですよ。周りが暴力をするから。やってもいい、そうしないとハードな障がいの方たちの世話は彼らにはできなかったんでしょうね。スキルがないから。若い子たちは暴力で押さえるしかなかった。」 これは阿部被告と髙橋被告の2人が暴行を加えた男性の支援計画書です。 重度の知的障がいを持つこの男性を阿部被告が主に担当していました。 今月12日に行われた髙橋被告の裁判では男性に暴行を加えた様子が明らかに。 髙橋被告は部屋にいた男性の両肩を両手で押して敷布団の上に何度も押し倒します。 10回目に男性の頭が壁にぶつかりました。男性はこの日の昼ごろ意識を失い病院に搬送されました。 その後、阿部被告と髙橋被告はLINEでー。 阿部被告 「昼飯のあと部屋でゲボして倒れて搬送されてったから」 「あれたぶん頭ぶつけすぎたわ笑」 髙橋被告 「えー、まじか。申し訳ない」 男性は翌日、「転倒による急性硬膜下血腫」で死亡。 しかし、暴行と死亡の因果関係は認められず、2人は暴行の罪のみで起訴されました。 元職員) 「じっとしていない方だから殴っていたのですかね。ご自分の意思が強い方だと、標的にされやすいんじゃないですかね、あそこの施設は。私の知っている〇さんは、徘徊をしても突然倒れたりということはなかったです。自分から倒れたりというのは。だから殴られてしまったことによって朦朧としてって考えますよね。」 阿部被告はこれまでの警察の調べに対し「イラっとして暴力をふるった」などと話しています。 また、高橋被告は被告人質問でー。 検察 「どうして入所者に暴力をふるった?」 高橋被告「優位に立つため…。暴力を手段としてストレスをぶつけるため」 検察「入所者の人権や人格を考えたことは?」 髙橋被告 「怒りで我を忘れてしまっている部分はありました」 検察側は「日常的な暴行が伺え、利用者の人格を踏みにじる犯行は悪質」だとして懲役1年6カ月を求刑。 弁護側は前科前歴がなく再犯の可能性は低いなどとして執行猶予付きの判決を求めています。