アメリカ・トランプ政権から制裁対象に指定され、「解体」の圧力に晒されるICC=国際刑事裁判所。日本人として初めて所長に就任し、自らも制裁対象となっている赤根智子所長に、BS-TBS「報道1930」の単独取材に応じました。 松原耕二キャスター編集長の取材を通して、ICCにいま訪れている「最大の危機」と、世界で「力による支配」が横行することへの危険性が見えてきました。 (全3回連載の3回目) ■さらなる制裁のエスカレートは?「職員の給料も…」 松原耕二(以下、松原):アメリカのルビオ国務長官は『ICC解体』という言葉まで口にしてます。何を懸念されてますか? 赤根智子(以下、赤根):一つは各国に、特に弱い国々に『脱退しろ』ということを要求していくと。実際に要求しているわけなんですけれども、そうすると小さい国々は、特にアメリカから多額の支援を得ている国、軍事的にサポートされているような国は『脱退しようかな』という気分になってしまう可能性がある。 ですから、そういうところを止めていくのは日本だとか、あるいはEU諸国の役割ではないかと。共同してそういうことをやっていただきたいなと思います。 もう一つ、先ほども言いましたが、制裁に関してもルビオ国務長官は口にしていますので、さらなるエスカレートということが起きかねないわけです。それに対して日本政府は、友好国と協力しながら、それを止める外交努力を続けていただきたいというふうに思います。 松原:次に、例えば、ICCの組織自体に制裁をもしかけるなんてことになったら何が起きますか? 赤根:これはまだ今まで起きたことがないのですね。正確に予測することは難しいんですけれども、大変難しい事態になることは間違いないです。 松原:それはつまり業務というか、役割を果たせなくなると、そういうことも含めてですか。 赤根:先ほど申し上げたとおり、ITなどは問題はないと思うんですけれども、今現在ICCに協力してくれている銀行がそれこそ二次的な制裁を恐れてICCとの取引をやめてしまう可能性もあるわけですね。そうすると、ICCは給料も払えなくなりますし、それから分担金ももらえなくなってしまうわけです。