映画館で本編が始まる前に流れる、おなじみの盗撮防止CM「NO MORE映画泥棒」が、この夏、大きく生まれ変わる。一般社団法人「映画館に行こう!」実行委員会は、盗撮防止キャンペーン映像「NO MORE映画泥棒 2026」を2026年8月28日(金)より全国の劇場で順次公開すると発表した。上映前CMだけでなく、劇場内に掲出するキャンペーングラフィックも同時に一新する。 新しい映像で描かれるのは、映画館の客席でスマートフォンを取り出し、スクリーンに向ける人物である。従来のビデオカメラによる盗撮を想起させる表現から一歩進み、誰もが日常的に持ち歩くスマートフォンそのものが盗撮の道具になり得ることを、より現在の映画鑑賞環境に即した形で伝える内容になっている。 映像は多言語表示にも対応した。国内の映画館を訪れる観客は国籍や言語の面でも多様化しており、日本語が母語でない観客にも盗撮禁止のメッセージを届けられるようにする狙いがある。映画を守るためのルールを言語の壁を越えて伝えようとする姿勢は、国際的な観客を迎える公共空間としての映画館のあり方を映し出している。 劇場内での映画の撮影・録音は、逮捕される可能性がある犯罪である。違反した場合は10年以下の拘禁刑、もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方が科せられる。不審な行為を見かけた場合は劇場スタッフへの声掛けが呼びかけられているほか、映画を無断でSNS等に投稿する行為についても、実行委員会の違法対策室情報提供窓口(https://www.eigakan.org/piracy/)への通報が求められている。 映像の末尾では、一般社団法人日本映画制作適正化機構(映適)についても案内される。映適は、映画制作を志す人たちが安心して働ける環境をつくるために映画界が自主的に設立した第三者機関であり、「映適取引ガイドライン」に基づく作品認定制度の運営や、スタッフの処遇改善、人材育成の支援などに取り組んでいる。盗撮防止という入口の啓発が、映画をつくる現場の労働環境という出口の課題ともつながっている点は、今回のリニューアルが単なる注意喚起にとどまらない理由だろう。 「映画館に行こう!」実行委員会は、日本映画製作者連盟、外国映画輸入配給協会、モーションピクチャー・アソシエーション(MPA)、全国興行生活衛生同業組合連合会の4団体で構成され、海賊版撲滅と映画人口2億人を目標に活動している。スマートフォンが映画館の当たり前の持ち物になった今、何を守りながら映画を楽しみ、つくり続けるのかを考えるきっかけとして、生まれ変わった「NO MORE映画泥棒」に触れてみてはどうだろうか。 NO MORE映画泥棒 2026 実施主体:一般社団法人「映画館に行こう!」実行委員会 上映開始:2026年8月28日(金)より順次切り替え 上映劇場:全国の劇場 公式サイト https://www.eigakan.org/