「独裁的だった」“一強体制”のキッカケは? 背任の疑いで東京女子医大元理事長の女(78)を逮捕【Nスタ解説】

東京女子医科大学の元理事長の女が、キャンパスの新校舎の建設費用をめぐり大学に損害を与えたとして逮捕されました。 ■振り込まれた資金が元理事長に還流か 過去には「一強体制」指摘も 良原安美キャスター: 東京女子医科大学の元理事長・岩本絹子容疑者(78)が背任の容疑で逮捕されました。 2018年7月から20年2月、河田町キャンパスの建設工事を巡って、一級建築士の男性(68)にコンサルティング業務を行っていないにもかかわらず、報酬名目で現金約1億2000万円を支払い、大学側に損害を与えた疑いが持たれています。 さらに振り込まれた資金が元理事長に還流された疑いもあるということです。 東京女子医科大学は、国内で唯一、女性のみを対象に医学教育を行う東京都新宿区の私立大学です。1900年に創立、1952年に開校しました。 医学部、看護学部、大学院、大学病院、医療センターなどがあり、学生数は1353人(2024年5月1日時点/大学HP)、教職員・研修生は5735人(2023年5月1日時点/事業報告書)となっています。 また、過去にはこんなこともありました。 東京女子医大の医学部の卒業生を会員とした同窓会組織「至誠会」の元職員が元事務長と共謀して、勤務実態がないのに、約2000万円の給与を受け取った疑いが持たれていました。 2024年3月に、警視庁が家宅捜索し、大学は第三者委員会を設置していました。この第三者委員会の調査報告書では岩本容疑者の「一強体制」が指摘され、「抜本的な改善・改革が必要」と強く批判されていました。 関係者によると、元職員と元事務長は岩本容疑者の側近だったとも言われています。 ■「おそらくノーと言えないんだなと」一強体制 新部署創設がきっかけか 井上淳司 記者: 捜査幹部によると、警視庁は家宅捜索に入った容疑のほか、大学の第三者委員会の報告書や、報道で指摘されていた問題について、捜査二課の総力を挙げ、徹底的に調べ上げたと話しています。 その結果、今回の容疑について、証拠が固まったことから逮捕に至りました。 捜査幹部は「岩本容疑者は内外に多大な影響力を持っていた。権力を持つのは悪ではないが、組織のために正しく行使しなければならず、岩本容疑者はこの道を大きく踏み外した」と厳しい言葉で批判しました。

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