【ソウル時事】韓国憲法裁判所が4日に尹錫悦大統領の罷免の可否を宣告するのを前に、大統領代行の韓悳洙首相は2日、治安関係の閣僚会議を開き「(憲法裁で)いかなる決定が出ても、法治主義に基づき冷静に受け入れるべきだ」と国民に呼び掛けた。 弾劾を巡る保守層と革新層の対立が深まり、衝突や暴力行為が懸念される中、警察は全国で約2万人の機動隊員を動員して厳戒態勢を敷く。 韓氏は会議で、与野党の政治家に「暴力を誘発する発言の自制を強く要請する」と訴えた。革新系最大野党「共に民主党」の李在明代表は弾劾訴追が棄却された場合の「流血の事態」に言及。保守系与党「国民の力」幹部も野党の動きを「竹やりを持った人民裁判」と批判するなど、応酬の過激化が背景にある。 宣告当日にはソウルの憲法裁近くで、弾劾賛成派と反対派がそれぞれ大規模集会を予定する。警察庁の李鎬永長官代行は、宣告後に集会参加者の一部が暴徒化したり、判事や警官に危害を加えようとしたりする恐れがあると指摘。「現行犯逮捕を原則に、断固として対処する」よう警察幹部に指示した。 動員される機動隊のうち約1万4000人がソウルに配置される。警察は道路にゲートを設置し、憲法裁から半径約100メートル以内への出入りを規制。憲法裁前に弾劾反対派が設けたテントを撤去するとともに、看板や植木鉢など凶器になり得る危険物を排除して「真空地帯」をつくる。 観光客に人気の景福宮などの周辺施設も、4日は閉鎖される。ソウル市によると、小中高16校が休校を予定。一部の日系企業も在宅勤務への移行を検討している。 2017年に憲法裁が朴槿恵大統領(当時)の罷免を宣告した際には、反発した支持者らが警官隊と衝突。4人が死亡し63人が負傷した。