世界中から観光客が集まり、「世界の交差点」とも呼ばれるニューヨーク・タイムズスクエア。そのど真ん中で恐ろしい事件が起きた。 人通りが絶えない午後4時24分頃、女性が赤い買い物袋から2本の大型ナイフを取り出し、近くにいた人々を脅し始めたのだ。CBSやNBCなど、複数の現地メディアが報じた。 現地メディアによると、女性はその後、妻と地下鉄から地上へ出て、41丁目と7番街付近で信号を渡ろうとしていた68歳の男性の腹部を刺した。さらに、女性は7番街を北上。32歳女性の腹部を刺した。二つの襲撃の間隔はわずか約20秒だったとされる。2人の被害者は病院に搬送されたが、32歳の被害女性はその後死亡が確認された。 2人を刺した後も女性は北上を続け、西43丁目付近で警察と対峙した。警官らは4分間にわたりナイフを捨てるように繰り返し命じたが、女性はこれを拒否。「何も捨てない。あなたたち(警官たち)2人を殺した方がましだ」と、警官を殺す趣旨の発言をしたという。 最終的に警察は女性に発砲。女性は搬送先の病院で死亡した。 現場の映像には、多数の警察官が2本の大型ナイフを持つ女性を取り囲み、武器を捨てさせようとしている様子や、警察官がテーザー銃を使用した後、女性がナイフを振りながら警察官側へ進み、複数の警官が拳銃を抜いて発砲するまでの様子が映っている。発砲後、警官らは倒れた女性を拘束し、応急処置を行った。 事件発生後、ニューヨーク市警(NYPD)は捜査のため7番街の一部を封鎖。42丁目から47丁目周辺では交通規制が行われた。タイムズスクエアはマンハッタンでも特に警察官の配置が多い地区であり、今回の発砲現場もNYPDのタイムズスクエア拠点に近かった。警察は現場から女性が持っていたとされる2本のナイフを回収している。 犯行の動機は明らかになっていない。NYPDは今回の事件をテロ行為とみなしていない。NYPDのジェシカ・ティッシュ本部長はCBSに対し、本件を「何の理由もない2件の刺傷事件」と説明している。また、ティッシュは記者会見で「我々は、今回の事件は無差別かつ一方的な攻撃だったと考えている」と語っている。 また、女性には逮捕歴はなかった一方、2018年と2019年に精神面に関する対応記録が残されていたともした。