韓国大統領府の鄭鎮碩（チョン・ジンソク）・秘書室長は14日、尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領を内乱容疑などで捜査している高官犯罪捜査庁（高捜庁）や警察に対し、公邸などで「訪問調査」を行うことを提案した。 高捜庁は尹氏への逮捕状執行について、14日朝に警護庁と協議したと発表。「安全で平和的な令状執行のための協力」を求め、返答を待っているという。 尹氏は度重なる出頭要請に応じず、公邸に立てこもっている。高捜庁は3日に逮捕状の執行を試みたが、大統領を守る警護庁要員らに阻まれて失敗した。 鄭室長は14日に出した談話で、高捜庁などが15日にも2度目の逮捕状執行に乗り出すと指摘。その上で、警護庁側との衝突を避けるために「協議する用意がある」と呼びかけた。 一方で、「大統領が自らの立場を説明する機会を保障しなければならない」と尹氏を擁護。捜査当局を「国家元首である大統領をまるで南米の麻薬ギャングを扱うかのように追い詰めている」などと批判した。 鄭氏は与党「国民の力」の元国会議員。韓日議員連盟の会長を務めていた。【ソウル日下部元美】