イスラエル人入植者がヨルダン川西岸の村を襲撃、10代のパレスチナ人2人死亡と地元当局

イスラエル占領下のパレスチナ・ヨルダン川西岸地区で2日、イスラエル人入植者とイスラエル兵がアル・ムガイヤル村を襲撃し、10代のパレスチナ人2人が死亡した。地元当局が発表した。翌3日には2人の葬儀が執り行われた。 死亡したのは、オマル・アルナッサンさん(19)とハリル・アブ・アリアさん(16)。2人は、イスラエル人入植者が羊を盗むのを阻止しようとした際に殺され、住民らとの衝突が起きたと、アル・ムガイヤル村の評議会はBBCに説明した。 一方、イスラエル軍は、家畜を取り戻そうとしていたイスラエルの民間人と警察を警護するため、部隊が村に入ったのだと説明した。 イスラエル軍は、パレスチナ人が部隊に石を投げつけて「暴力的な騒乱」が起きたとし、その「主要な扇動者」に対して部隊が発砲し、弾が命中したとしている。 ヨルダン川西岸では最近、イスラエル人入植者による暴力行為が急増している。国連によると、今年に入ってから1日平均3件を超える襲撃が記録されている。 ラマラ近郊のアル・ムガイヤル村では、入植者による襲撃が繰り返されてきた。 入植者が利用するメッセージアプリ「ワッツアップ」のチャットグループのやり取りからは、入植者が村民を強制的に立ち退かせようとしていることがうかがえる。 国連の統計によると、今年に入ってからヨルダン川西岸では、イスラエル軍や入植者によって少なくとも81人のパレスチナ人が殺害されている。このうち少なくとも23人は、入植者による襲撃に関連したものだった。 同じ期間にヨルダン川西岸では、計3人のイスラエルの治安要員と民間人がパレスチナ人によって殺害されたとも、国連は発表している。 イスラエル軍をめぐっては、入植者によるパレスチナ人襲撃に積極的に加担したり、傍観したり、加害者の訴追を怠ったりしているとの批判が強まっている。 こうした中、イスラエル警察は3日、ヨルダン川西岸クスラ村で先月29日に発生したパレスチナ人に対する襲撃事件に関与した疑いで、19歳の入植者を逮捕したと発表した。クスラ村への攻撃が数週間にわたって続く中、こうした逮捕は初めてだ。 クスラ村には先月、覆面をした数十人の入植者が押し寄せた。入植者はパレスチナ人が取り残された住宅を包囲し、石を投げるなどした。 現場に派遣されたイスラエル兵は、住宅内に取り残されていたパレスチナ人を拘束した一方、入植者は拘束せず、その場から立ち去るのを許したと報じられている。イスラエル軍は、部隊は「暴徒」を排除し、住民を保護したと説明している。 イスラエルは1967年の第3次中東戦争でヨルダン川西岸と東エルサレムを占領して以降、約160の入植地を建設。イスラエル人約70万人が居住している。パレスチナ人はこれらの土地を、ガザ地区とともに、将来の国家建設のために欠かせないとして求めている。それらの土地では現在、推定330万人のパレスチナ人が入植者と隣り合って暮らしている。 国際法では、すべての入植地は違法とされる。 別の動きとして、イスラエル軍は2日、マサフェル・ヤッタにあるパレスチナ人の村キルベト・アル・タッバンを解体した。 イスラエルの人権団体「ベツェレム」によると、子ども28人を含む村民70人には、解体について事前の警告はなく、所有物を持ち出すことも認められなかったという。 同団体は今回の解体について、2025年5月以降にマサフェル・ヤッタで行われたものとしては最大規模だと指摘した。 イスラエル軍は1980年代に、マサフェル・ヤッタを含む南ヘブロン丘陵の約3000ヘクタールを、訓練用の射撃制限区域に指定した。 同軍は、この地域のパレスチナ人の住宅は違法に建設されたものだと主張している。 イスラエルの最高裁判所は2022年、この射撃区域にある住宅の取り壊しと、住民の立ち退きを認める判断を下した。住民側は、こうした措置は国際法に違反するもので、自分たちの家族はイスラエル建国以前から同地域で暮らしてきたと主張していた。 ベツェレムによると、キルベト・アル・タッバンは、2023年10月にパレスチナ・ガザ地区でイスラエルとイスラム組織ハマスの戦争が始まって以降に、イスラエル当局が住民を追放した66番目のパレスチナ人コミュニティーだという。同団体はこうした動きについて、ヨルダン川西岸で進められている「民族浄化」の一環だと主張している。 (英語記事 Palestinian teens killed during settler attack on West Bank village, officials say)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加