「頭悪いんか」「バカ」――。タクシー車内で浴びせられる暴言や、窓口での理不尽な要求。近年、社会問題となっている「カスタマーハラスメント(カスハラ)」は、長崎県内でも起きています。 長崎市役所が実施した調査では、回答した職員の4人に1人にあたる540人が、「直近3年間にカスハラを受けたと感じた」と回答しました。2026年10月1日からは、企業などの事業主にカスハラ防止の対策が義務付けられます。 しかし、「店員に不満を伝えたら、それもカスハラになってしまうのか」という疑問を持つ人もいるかもしれません。「正当なクレーム」と「カスハラ」の境界線はどこにあるのか。企業には何が求められ、消費者側には何が求められるのか。「ウイークリーオピニオン」で考えます。 ■10月から企業にカスハラ対策が義務化 長崎でも深刻な事件 東京のタクシー内でこんなやりとりがありました。 【タクシーの乗客】「頭悪いんかお前ほんまに。真っすぐ行けしか言うてなかったやろ。」 【運転手】「ハラスメントですよ、お客様」 【タクシーの乗客】「お前が動けへんから言うとんじゃほんまによ。ちょっと待て、お前どこの会社じゃ」 東京都のタクシー会社・葵交通のドライブレコーダーが捉えた、カスハラの瞬間です。乗客の中には、車内のパネルを蹴る人もいました。 【運転手】「すみません。パネル壊れちゃうんで勘弁してください。」 【タクシーの乗客】「早くしろよバカが。」 長崎県内では8月25日、大村市役所で職員に対し「竹刀や木刀を持って行くぞ」などと脅し、カスタマーハラスメントをしたとして、トラック運転手の男が職務強要の疑いで逮捕されました。 行政や企業を問わず、こうした理不尽で悪質なクレーム=「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が近年社会問題化しています。 ■ 「クレーム=カスハラ」ではない どこからがカスハラ? 【住吉 光キャスター(以下、住吉)】お客さんからのクレームは、時に業務改善のヒントにもなりますよね。どこからが「カスハラ」になるのでしょうか?