モラエス判事に関する審理で、2判事が忌避と自らの疑義を表明

【ブラジリア 2026年9月15日】 ブラジル連邦最高裁(STF)のカッシオ・ヌニス・マルケス判事とジアス・トフォリ判事は、同裁判所の判事アレシャンドリ・ジ・モラエスに対する前例のない調査開始の可否をめぐる審理への参加について、それぞれ「忌避:法的理由で審理に参加しない(impedido)」および「自らの疑義:個人的理由で審理に参加しない(suspeito)」を表明した。 15日(火)、連邦最高裁本会議は、連邦警察(PF)が実施した、金融機関マステル銀行をめぐる金融詐欺疑惑を捜査する「コンプライアンス・ゼロ作戦」の報告書を分析している。同報告書は、モラエス判事を元銀行家ダニエウ・ブエノ・ヴォルカーロ(旧マステル銀行のオーナー)に結びつける内容を含んでいる。今回の臨時審理は、最高裁長官エジソン・ファキン判事によって設定された。 ヌニス・マルケス判事によれば、今回の審理は10月の大統領選挙に影響を及ぼす可能性があるため、現在選挙高等裁判所(TSE)長官を務める自身は判断に関与すべきではないと述べた。 採決開始前の発言で同判事は、選挙高等裁判所長官としての立場上、大統領選の行方に影響を与え得る判断を下すことはできないと述べた。また、「マステル銀行に関連する事件を一度も審理したことはなく、ヴォルカーロの予防拘禁の維持に賛成票を投じた」と強調した。 一方トフォリ判事は、今年4月、連邦警察の報告書に自身とヴォルカーロの関係を示唆する記述が浮上したことを受け、「マステル銀行関連のいかなる手続きも審理しない」と自らの疑義を表明していたことを改めて確認した。 当時マステル銀行関連事件の報告官だった同判事は、「理由は個人的な事情(foro íntimo)であり、忌避とは異なる」と説明した。 トフォリ判事は次のように述べた。 「私は裁判所を守る義務を感じ、自らの疑義を個人的理由に基づいて表明した。これは忌避ではない。個人的理由による疑義だ。裁判所に不必要な圧力や偏りが生じることを避けるためだ」 ヌニス・マルケス判事とトフォリ判事の発言の後、フラヴィオ・ジノ判事が発言し、審理開始前に検討すべき予備的事項を提示した。 続いて、最高裁の最古参判事であるジウマール・メンデス判事が、メンドンサ判事が本会議に通知することなく連邦警察の調査を最高裁判事にまで進めたことの正当性について論点を提示した。 ブラジル連邦憲法およびSTFの内規では、最高裁判事に対する訴追や審理は本会議のみが行うと定められている。 <家族に関する疑惑> ヌニス・マルケス判事は、最近の報道で取り沙汰された「息子ケヴィン・ヌニス・マルケス氏がマステル銀行に関係している」との疑惑を否定した。 同判事は次のように述べた。 「息子は銀行にサービスを提供したことも、銀行から報酬を受け取ったことも一度もない」 さらに「この点について私は完全に中立であり、その中立性は私がこれまでに示した投票行動によって証明されている」と付け加えた。 <メッセージの問題> モラエス判事に関する記述を含む報告書は、9月1日、アンドレ・メンドンサ判事が機密扱いを解除したことで公になった。この措置は連邦最高裁内部に前例のない制度的危機を引き起こし、互いの立場が不利となる報告書の公開や相互の調査要求が続く事態となった。 連邦検察庁(PGR)はファキン長官に対し、報告書の一部を無効とするよう求めている。同庁は、メンドンサ判事が最高裁長官や本会議に通知することなく調査を最高裁判事にまで進めた点が不適切であり、文書自体が不規則だと主張している。 また連邦検察庁は、こうした手続きがメンドンサ判事による「捜査の誘導」を示す可能性があると指摘している。連邦警察がヴォルカーロからモラエス判事に送られたとするメッセージの中には、連邦検察庁パウロ・ゴネー長官の名前も登場している。 <経緯> メンドンサ判事が公開した報告書には、捜査当局が「ダニエウ・ヴォルカーロがアレシャンドリ・モラエスに送った」とする52件のメッセージが含まれている。そこでは、元銀行家がモラエス判事と近しい関係にあるかのような記述が見られる。 ある部分では、ヴォルカーロが、マステル銀行とモラエス判事の妻で弁護士のヴィヴィアーニ・バルシ・ジ・モラエスの法律事務所との1億3,100万レアルの契約に関し、モラエス判事に検討を求めたかのように記している。 別の部分では、ヴォルカーロが自身の逮捕につながる可能性のある捜査情報をモラエス判事に求めているように見える。連邦警察によると、これらのメッセージは2023年から2025年11月17日(ヴォルカーロが予防拘禁された日)までの間に送られたとされる。 モラエス判事は15日未明に提出した弁明書で、いかなる不正行為も否定し、元銀行家が彼に送ったとされるメッセージを含む報告書を「違憲かつ違法」と断じた。 <反応> 連邦警察の報告書に対し、モラエス判事は9月2日、連邦警察の「インテリジェンス報告書」とされる文書を公開した。同文書では、メンドンサ判事が「コンプライアンス・ゼロ作戦」の捜査を政治的敵対者に向けて誘導した可能性が示唆されている。 ただし、この文書には署名も組織の公式印もなく、表紙には「推測として作成されたもので、証拠価値はない」と明記されている。 モラエス判事は、メンドンサ判事が権限濫用、行政不正、責任犯罪の疑いがあるとして、ファキン長官に対し調査開始を求めた。ファキン長官はこの申立ての審理を9月23日に設定した。 (記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)

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