無罪が確定した不動産会社の元社長が検察の違法捜査を訴えている裁判。17日から控訴審が始まりました。 「プレサンスコーポレーション」の元社長・山岸忍さん(63)は、学校法人の土地取引をめぐる巨額横領事件に関与したとして、大阪地検特捜部に逮捕・起訴されたものの、5年前に無罪が確定しました。 起訴された根拠は、元部下が検察の取り調べで山岸さんの関与を認める供述をしたことでしたが… 「変えてるじゃないか!思い切り変えてるだろうが!変えてるだろう!検察なめんなよ!命懸けてるんだよ、俺たちは。あなたたちみたいに金をかけてるんじゃねえんだ」(当時の取り調べ映像の音声) 担当した田渕大輔検事(54)は、山岸さんの部下にどう喝的で侮辱的な取り調べをしたとして特別公務員暴行陵虐の罪に問われています。 山岸さんは2022年に「関係者に虚偽の供述を強要した結果なされた、違法な逮捕・起訴だった」として7億7千万円の賠償を求めて国を提訴。しかし、大阪地裁は去年3月「当時の特捜部の見立てには一定の合理性がある」などとして逮捕や起訴の違法性を否定し訴えを退けたため、山岸さん側は控訴しました。 そして、17日大阪高裁で始まった控訴審。山岸さんが今の思いを裁判官に訴えました。 「今回の裁判は『検察官の判断のあやまち』を問うものです。田渕検事の取り調べについて、特捜部幹部らも全く問題にしなかった。制度が全く機能していなかった」(裁判での山岸さんの言葉) さらに弁護側は、田渕検事の刑事裁判で明らかになったことを新たに主張に加えました。 ▼取り調べの録音・録画を見た特捜部の幹部らが、違法性を認識しながらも事実を矮小化し、組織的に問題を隠ぺいしたこと ▼上級庁への報告期限に間に合わせるために取り調べをエスカレートさせたこと などを訴えました。 (中村和洋弁護士)「(田渕検事の刑事裁判を)当然に傍聴してたら、そんな証拠があるのかと、これはぜひ出さなきゃいけないと」 (山岸忍さん)「彼ら(検察官)はやって当たり前なんだときっと思ってると思うので、頭の構造を変えていただきたいなと思います」 次の裁判は来年1月27日で、国の責任が認められるかどうか判断される見通しです。