ロンドン(CNN) 英チャールズ国王は論議を招いているAI(人工知能)技術について話し合う大規模会合を控え、世間の注目をすべてAIに集めたい考えだった。 だが17日、会合の開始予定時刻まであと数時間というタイミングで王室の新たなスキャンダルが新聞各紙の1面を飾り、その期待は打ち砕かれた。スキャンダルはAIを巡る会合に影を落とし、王室は混乱に陥った。 デイリー・メールの1面では「チャールズ国王が驚くべき暴言、ダイアナ元妃の死から数日後」と報道。デイリー・テレグラフは「王室、ダイアナ元妃の弟に反論」と伝えた。 デイリー・メールが近刊書から抜粋して掲載した内容によると、チャールズ皇太子(現国王)はダイアナ元妃の死から数日後、元妃の弟チャールズ・スペンサー氏に「彼女のことなどすぐに忘れる」と語ったとされる。報道を受けて王室は16日、異例の反論を発表した。 ダイアナ元妃の死後、スペンサー氏がチャールズ皇太子に、姉はウィリアム王子(現皇太子)とヘンリー王子が葬儀に参列するのを望まなかったはずだと告げたところ、皇太子は電話口で「怒りをぶちまけた」という。 デイリー・メールが17日に掲載した別の抜粋によると、ダイアナ元妃が亡くなった夜、スペンサー氏と話をしたチャールズ皇太子は「浮ついて上機嫌な口調に聞こえた。宝くじに当選したようだった」とされる。 スペンサー氏の著書「スワンソング:我が姉ダイアナ(原題)」は来月出版予定。CNNは出版前に内容を確認していない。 ダイアナ元妃は1997年8月、パリで乗っていた車が高速衝突し、内臓損傷のため亡くなった。当時15歳だったウィリアム王子と12歳だったヘンリー王子は数日後、母親と離婚したチャールズ皇太子と並んで葬儀に参列した。 スペンサーの回顧録は、王室にとってとりわけデリケートな時期を振り返るものだ。 「国民のプリンセス」と呼ばれたダイアナ元妃は英国や世界中で愛されていた人物であり、36歳での早すぎる死は国に衝撃を与えた。当初の王室の対応はあまりに閉鎖的と批判され、憲法上の危機と世論の反発を招いた。 王室は回顧録を受け、母親の死に直面したスペンサー氏は判断力が鈍っていたのではないかと疑問を呈した。王室自ら「異例」と認める対応であり、王室の目から見て今回の危機がいかに深刻かを物語る。 王室の報道官は「我々は原則として書籍についてはコメントしない。だが姉を失った悲しみは、たとえ長い年月がたっていようと、理性を曇らせ、判断力に影響を及ぼし、他人には理解できない形で記憶を染めてしまい得ることを、国王は心にとめている」と言及した。 一部のウォッチャーの間では、今回の王室の対応について、2021年に故エリザベス女王がヘンリー王子夫妻に取った厳しい態度を彷彿(ほうふつ)させるとの見方も出ている。王族の生活から身を引いて北米へ移住したヘンリー王子夫妻が王室を痛烈に批判すると、エリザベス女王は苦言を呈した。 当時、エリザベス女王は「記憶とは得てして食い違うもの」とくぎを刺していた。