海の「黒いダイヤ」と呼ばれるナマコ、国内最大の産地は北海道です。北海道内の海岸で繰り返されるナマコ密漁の現場を取材しました。 海上保安庁の係官 「確保ー!」 海上保安庁の係官が一斉に動き出しました。2025年、北海道小樽市で密漁グループが逮捕された瞬間です。 ■ゴムボート転覆事故から発覚 暴力団関与の密漁グループ逮捕 箱の中に入っていたのは大量のナマコです。 7月の深夜、北海道稚内市の沖合で5人が乗ったゴムボートが転覆。 60代の男性が死亡した事故をきっかけに明らかになったのもナマコの密漁でした。 すぐに空気が抜ける細工をしたゴムボート。27本ものボンベ。 この事件では札幌市や函館市などから集まった暴力団員を含む密漁グループ9人が逮捕されました。 事件当日の早朝、この漁師は漁業組合の要請で、捜索に参加しました。 地元の漁師(60代) 「この辺の海域で流れ物が流れてきた」 海上に浮いていたのは、11匹のナマコが入った箱。 そして、中身が海に落ちたとみられる3つの空箱です。 地元の漁師(60代) 「資源確保するために稚魚から育てる事業もやっている。それを横からとるのは許せない。僕らも命をかけて仕事をしているので」 ■中国で高級食材として高値取引 密漁の背景にある圧倒的な品薄感 なぜ、ナマコの密漁は行われるのか。捜査幹部の「見立て」です。 稚内警察署 刑事課 松平洋祐 警部補 「ナマコがいま中国圏で高値で取引されているという背景がある。そこに売却をして高い利益を得るため。暴力団の資金源になっていることは間違いない」 中国・北京のレストランでは乾燥させたナマコの煮込みやスープは、一皿約5000円。フカヒレやアワビと並ぶ高級食材です。 JNN北京支局 中原達也 記者 「いただきます。とてもぷるぷるで味が染みています。高級な味がしますね、美味しい」 中国は、世界のナマコ消費の6割以上を占める最大の市場です。 「いくらあっても足りない」。この品薄感が密漁の背景にあります。稚内漁業組合によるとナマコの今年の浜値は1キロ2300円ほど。年間扱い額の4分の1を占める組合の貴重な収入源です。