広島松田元球団オーナー(75)が22日、新井貴浩監督(49)の来季続投を明言した。「来季も新井監督にやってもらう。チームをひとつにまとめ、一丸となって戦えるのは新井監督しか思いつかない」。残り11試合となった全日程を終え、新たに単年契約を結ぶことになる。 ◇ ◇ ◇ 広島新井監督の続投が決まった。新井監督の5年目が訪れるとは、シーズン終盤までは予想できなかった。記者の目には、身を引く覚悟を決めているように映っていた。 キャンプイン目前、所属選手が医薬品医療機器法違反で逮捕された。キャンプイン直後、新井監督は球団幹部に辞意を申し入れた。グラウンド外の選手の行動に、現場の長である指揮官に監督責任はない。それでも、すでに球団の対応が後手に回っている印象の強い状況、自ら職を辞することで責任を取る覚悟だった。 ファンに示しがつかない-。そう強く感じていた。現役時代から「カープの試合を見るためにランチを節約したり、買いたいものを我慢してお金をためて、球場に足を運んでくれる方がいる。そういう人たちの存在を忘れてはいけない」と言い続けてきた。後ろめたい思いをさせているファンへの心苦しさから、新井監督から笑顔が消えた。 初公判が行われた5月下旬に球団への批判が増したことで、改めて球団幹部に辞意を申し出た。6月には松田球団オーナーに直接、辞意を伝えた。それでも「責任を感じる必要はない」と翻意を促された。チームの再建を託されても、簡単に意思が変わるものではなかった。それでも自問自答を繰り返す中で、カープ球団から与えられた責務に背を向けることはできなかった。 「新井監督続投」が何かを解決したわけでも、何かが改善されたわけでもない。低迷する中でもシーズン中の戦力補強はなく、支配下選手登録枠を2つ残して補強期間を迎えた。監督就任後、指揮官が球団に多くを求めたことはない。数少ない要望も通らないことばかりで、編成の動きは鈍い。現場に改善点はあるが、現場以外の改善点も山積みしている。5年目の指揮を託す来季は、球団全体でチームを底上げしていく姿勢が求められる。【広島担当 前原淳】