全米で相次ぐ監視カメラの破壊。AI搭載「ナンバー読み取り装置」をめぐる市民の反発とハロウィンの危機

日本では毎年、ハロウィンの時期になると、渋谷で変装した若者が酒を飲んで暴れる様子がニュースになる。アメリカでは、ハロウィーンはアイルランド系移民が定着させた行事で、日本とは異なる盛り上がり方を見せている。しかし、今年のハロウィーンは荒れるかもしれない。 捜査当局が逃走車や盗難車など、犯罪に関与したとされる車の追跡などを目的に道路に設置される撮影機器「自動ナンバープレート読み取り装置(ALPR)」の破壊がこの夏以降相次いだ。装置の破壊は「当局による市民の監視」への反発とされており、ハロウィーンに向けてソーシャルメディアに破壊行為をあおるような投稿が拡散しているからだ。読み取り装置は撮影の機能を持っているが、変装していれば逮捕されるリスクが低まるため、ハロウィーンが破壊を助長させることになる恐れがある。アメリカでは家庭的なイベントとして定着しているハロウィーンで「暴力の拡散」が起きれば前代未聞の事態であり、日本をはじめ、海外のハロウィーンにも影響を与えかねない。 読み取り装置は街灯に似た金属製のポールに設置され、通過する車のナンバープレートをカメラで撮影し記録する。 アメリカ国内に設置されている読み取り装置の80%以上が、アトランタに本社を置くFlock Safety(フロック・セーフティー)社の製品であることから、アメリカではこの装置を「フロックカメラ」と通称で呼ぶことが多い。 捜査の機密に関係するため、装置の設置場所の多くは公表されていない。行動が記録されるのは犯罪に関与した車両だけではなく善良な市民の車も同じであり、一般市民からすれば、気が付かないうちに行動を監視されていることになる。 プライバシー保護を訴え、警察などによる装置の契約破棄を呼びかけている民間団体のDeFlock(デフロック)は独自の調査などで設置場所を割り出し、地図にまとめて公開している。ニューヨーク市内の地図を見ると、仕事で頻繁に通る交差点付近に装置が設置されていることになっていた。これまで何回通過しても、まったく気が付かなかったが、改めて現場に行ってみると、両方の車線を撮影できるように各車線に1台、計2台の装置が交差点付近に設置されているのを見つけた。悪いことをしているわけでもないが、できることならば、今後この交差点は通りたくないと率直に感じた。

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