【全文】「検察なめんなよ!」机を叩き恫喝した特捜検事(当時)を裁く「付審判」公判 弁護側の「冒頭陳述」詳細を公開 警察・検察の取り調べの在り方が根底から変わり得る歴史的裁判

「検察なめんなよ!」大阪地検特捜部の検事による”恫喝的な取り調べ“は犯罪にあたるのか。特別公務員暴行陵虐の罪で元特捜検事が刑事裁判にかけられる「付審判」の第4回公判が、6日に行われました。検事の弁護人が読み上げた「冒頭陳述」の詳細を公開します。今後の警察と検察の取り調べの在り方が根底から変わる可能性を秘めた、注目の裁判です。■1 はじめに「検察なめんなよ」「あなたはプレサンスの評判を貶めた大罪人ですよ」2019年12月8日及び9日の取調べにおいて、田渕検事は被疑者であるK氏に対してこう申し向けました。その様子は、本件第2回公判において、取調べの状況を記録した録音録画媒体が上映されたとおりです。映像に映し出された様子は、相応に衝撃的なものです。この映像を見た多くの人が「検察官の取調べで、しかも録画録音されている状況の下で、こんな言動が…」と思ったのではないでしょうか。このような取調べで作成された調書の内容を、もし取調べを受けていたK氏が苦痛に感じて田渕検事に供述を無理強いされたなどと主張し、事後に供述を翻していたとしたら、調書の任意性が否定されたかもしれません。K氏が国家賠償請求訴訟を提起すれば、違法だとの認定が下ったかもしれません。しかし、本件で問われているのは、刑訴法上の問題でも、国賠法上の問題でもありません。本件で問われているのは、田渕検事の言動が、刑法195条第1項「特別公務員暴行陵虐罪」における「陵辱若しくは加虐」の行為に当たるといえるのか、なのです。罪刑法定主義の原則の下、一定の謙抑性が求められ、また厳格解釈の要請がある刑法犯に、本件田渕検事の言動が当たるのか、そのことが本法廷で厳しく吟味されなければなりません。その際には、一部の映像によるインパクトのみから判断がなされるべきではありません。まず刑法195条第1項にいう「陵辱若しくは加虐」とはどういった行為をいうのかが、改めて検討されなければなりません。また、田渕検事の言動が、どのような過程を経て、どのような意図で行われたのか、さらには、当該言動をK氏がどのように受け止めたかも、重要な判断要素となります。

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