「比類ない大きな業績」東京女子医大元理事長の岩本容疑者、虚偽の稟議書で理事会を説得

東京女子医大(東京都新宿区)の新校舎建設を巡る背任事件で、警視庁捜査2課に逮捕された元理事長の岩本絹子容疑者(78)が、実体のないアドバイザー報酬を支出するため、理事会に虚偽の稟議書を提出して理事らを説得していたことが16日、捜査関係者への取材で分かった。支出先の1級建築士の男性(68)から現金を還流させたとみられており、捜査2課がカネの流れを調べている。 捜査関係者によると、男性は平成28年4月に非常勤嘱託職員として大学が採用。30年7月~令和2年2月、大学側から計21回にわたり計約1億1700万円の報酬が支払われ、税引き後の額面の3分の2にあたる計3700万円を岩本容疑者が受け取ったとみられている。ほかに、5000万円を還流させていた疑いもある。 捜査関係者によると、岩本容疑者が作成した稟議書では男性を「なくてはならない存在」「比類ない大きな業績を残していただいた」などとたたえ、「適正な対価の支払いをお認めいただきたい」などとしていた。男性は実際には業務をしていなかったり、稟議書と大きく異なったりしていたという。 また、岩本容疑者は側近の女性(52)を通じて男性に対し、還流したカネについて、男性と大学関係者2人で「3等分する」と説明。大学関係者分とした3分の2は、実際には全て岩本容疑者が受け取ったとみられる。

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