実在するサイトを悪用? 巧妙化する「副業サポート詐欺」の手口を解説

インターネット上で「在宅ワーク」や「副業」と検索し、手軽に収入を得ようとした人々が多額の金銭をだまし取られる「副業サポート詐欺」の被害が相次いでいる。なぜ人々は、自ら検索して見つけたサイトでだまされてしまうのか。その巧妙な手口と背景について、テレビ朝日警視庁クラブの阿部佳南記者が解説した。 副業サポート詐欺の入り口は、インターネットの検索結果だ。「副業」や「在宅」といったキーワードで検索すると、上位に詐欺グループが用意したホームページが表示される。そこでLINEの登録を促され、チャットを通じて指示を受ける仕組みとなっている。 詐欺グループの手口は極めて巧妙だ。まず、実在する販売サイトを利用させ、商品を持っていない状態で出品させる。購入希望者が現れると、「別の仕入れサイトから商品を購入して発送すれば、仕入れ値と売り値の差額が利益になる」と説明する。そして、この「一連の副業のやり方を教える」という名目で、サポート代として被害者から暗号資産(仮想通貨)をだまし取るのだ。 被害者がだまされてしまう要因の一つは、実在する違法性のないサイトが利用されていることにある。さらに、詐欺グループは「サポート代は、すぐに辞めてしまったり、収益を持ち逃げしたりするのを防ぐための担保だ」と説明し、被害者の疑念を払拭する。 阿部記者は「知らない人から突然電話がかかってくる特殊詐欺とは異なり、被害者自身がインターネットで調べて行き着いたサイトであるため、警戒心が薄れてしまう傾向がある」と指摘する。詐欺グループは、一定額を支払うことで検索結果の上位に表示させる「リスティング広告」を悪用したり、自ら高評価の口コミを投稿したりして、サイトの信用性を高める工作を行っている。 詐欺に遭った佐賀県の女性は、詐欺グループの一部が逮捕され、警察からの連絡で初めて被害に気付いたという。女性とやり取りをしていた男は、非常に営業トークが巧みで、不信感を与えないように訓練されていた。 さらに、この詐欺の悪質な点は「暗号資産」が使われていることだ。通常の銀行口座であれば、怪しい金の動きがあれば口座を凍結できるが、暗号資産にはそのような仕組みがない。詐欺グループは暗号資産を悪用し、証拠隠滅や追跡回避を図っているのだ。 被害に遭った女性は「子どもが生まれ、おむつ代やミルク代がかさむ中で、少しでも家計の足しにしたい」という純粋な思いから副業に応募したという。詐欺グループはこうした人々の切実な思いにつけ込んでいる。 今回摘発された詐欺グループは、10代から70代まで幅広い年代の男女1000人以上から、総額15億円以上をだまし取っていた。リーダーを中心に、拠点を移しながら活動する「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」の特徴を持っており、ほかにも同様のグループが国内に複数存在しているとみられる。 警察庁の調べによると、今年上半期の特殊詐欺の被害額は約1800億円と過去最悪を記録している。毎日約10億円がだまし取られている計算だ。阿部記者は「詐欺のターゲットは高齢者だけでなく、若い世代にも広がっている。電話やSNSで金銭を要求されることはまずないと考え、とにかく疑う気持ちを持つことが重要だ」と警鐘を鳴らす。 少しでも不審に思ったら、一人で判断せず、警察や消費生活センター、あるいは知識のある知人に相談することが被害を防ぐ第一歩となる。生活の足しにしようと始めた副業で、多額の金をだまし取られてしまうなど被害が相次いでいる「副業サポート詐欺」。その巧妙な手口を知り、警戒を強める必要がある。(ニュース企画/ABEMA)

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