「長期拘束は国際人権基準違反」大川原冤罪の弁護団、国連に通知

横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」を巡る冤罪(えんざい)事件で、元顧問で勾留中に亡くなった相嶋静夫さん(享年72)の遺族弁護団が、「長期の身体拘束は国際人権基準に反する」とした通報書を国連の作業部会に送付した。13日付。 送付先は、国連人権理事会の決議に基づき設置された恣意(しい)的拘禁作業部会。5人の専門家で構成され、世界各地の身体拘束を巡る問題を取り扱っている。 作業部会は恣意的な拘禁に当たるか否か、国際人権規約(自由権規約)などに照らして審理し、意見書を採択して公表する。一つの案件での対応は1~2年かかるとされるが、法的な拘束力はないという。 相嶋さんは2020年3月に外為法違反容疑で逮捕・起訴され、約7カ月後に胃がんが判明。勾留が一時停止されて入院したが、21年2月に亡くなった。 遺族は逮捕状や勾留状の発付、計7回にわたる保釈請求の却下に関わった計37人の裁判官を相手取り、訴訟を起こしている。 通報書では各裁判官の判断について、日本の刑事司法制度の構造的な問題だと指摘。自由権規約の「公正な裁判を受ける権利」や「適正手続きの保障」に対する重大な違反があったと訴えている。 通報書の作成に携わった弁護団の池田クラリスさん(米ニューヨーク州弁護士)は「人質司法の象徴的な事案。国際的な意見によって日本の司法制度を変えたい」。相嶋さんの長男(52)は「日本は一刻も早く国際基準の人権国家に生まれ変わる必要がある」と話す。 弁護団によると、日本では00年代に入り、日産自動車の会長だったカルロス・ゴーン氏の刑事司法手続きを巡る問題など、6件の案件が恣意的拘禁に当たるとする意見書がまとめられたという。【遠藤浩二】

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