ストーカー被害の深刻化をふまえ、ストーカーの加害者に全地球測位システム(GPS)端末を装着し被害者に近づいた際に知らせる制度などのあり方を議論するため、警察庁は15日、有識者検討会を設置すると発表した。課題などを整理し、導入にむけ本格的に検討を進める。加害者に治療やカウンセリングの受診を義務づける制度のあり方についても検討する。 有識者検討会は19日に初会合を開催。議論を重ねて今後、報告をまとめる。警察庁は報告をふまえ、ストーカー規制法の改正を視野に制度づくりを進める方針だ。 政府は7月、犯罪対策閣僚会議で詐欺とストーカー被害の拡大防止のための緊急対策を決定。その中で、ストーカーの加害者に対するGPS端末装着の導入の早期検討と治療・カウンセリング受診の義務づけの導入の検討が盛り込まれた。 今回の検討会設置はそれを受けた対応だ。検討会は、憲法や刑事政策などが専門の学者や精神医学、カウンセリングの専門家、被害者支援に詳しい弁護士らが委員となり、2012年に起きた神奈川県逗子市のストーカー殺人事件の遺族、柴田建さんも加わった。■GPS装着、対象は? GPS端末の装着は、個人の行動の自由に関わり、ストーカー被害の防止が目的とはいえ加害者の権利の制約につながる面もあり、多角的な検討が必要だ。装着する対象の加害者をどう定め、どう装着し、装着の期間はどうするのか▽位置情報を被害者だけでなく警察なども把握できるようにするのか▽裁判所の審査は必要かなど、論点は多い。 装着の対象となる範囲として、警察庁は、ストーカー規制法に基づき禁止命令を受けた加害者の中でも危険性が一定程度高い加害者に絞ることも考え方の一つとして挙げている。 GPS端末装着などの検討の直接の契機となったのは、今年3月に東京・池袋の商業施設内の「ポケモンセンターメガトウキョー」でアルバイト店員の女性が刺殺された事件だ。 容疑者の元交際相手の男は警視庁にストーカー規制法違反容疑などで逮捕され、接近などを禁じる命令も受けていた。男は略式起訴され、釈放された。警視庁は、釈放に備えて女性を避難させるとともに、男に治療・カウンセリングの受診も勧めたが、拒否されていた。