ケリー・アン、BBCニュース パキスタンの代表的な航空会社が、フランス・パリのエッフェル塔に向かって飛ぶ航空機を描いた広告を出し、多くの批判を浴びている。 パキスタン国際航空(PIA)は、パリ直行便の再開を宣伝するため、この広告を制作した。「パリ、今日行きます」という言葉を入れていた。 これについて、2001年9月11日に起きた米同時多発攻撃の場面に似ているとの指摘が、ソーシャルメディアで一部のユーザーから上がった。 「これは広告なのか、それとも脅迫なのか?」。ソーシャルメディア「 X」にはそんな投稿があった。「マーケティング責任者をクビにしろ」と求める人もいた。 この広告の画像は先週の公開以降、Xで2100万回以上閲覧されている。批判は公開直後から出ている。 パキスタンの放送局ジオ・ニュースによると、同国のシャバズ・シャリフ首相は、この件について調査を指示した。イシャク・ダール副首相も、この広告を批判しているという。 ■「9/11を知らないのか?」 米同時多発攻撃では、ハイジャック犯らが旅客機を、ニューヨークの世界貿易センター(WTC)のツインタワーと首都ワシントンの国防総省に激突させ、合わせて約3000人の命を奪った。 攻撃の首謀者とされるハリド・シェイク・モハメド被告は2003年、パキスタンで逮捕された。 攻撃を計画した過激派組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者は2011年、米軍によってパキスタンで殺害された。 パキスタン人ジャーナリストのオマル・クライシ氏は、PIAの広告に「本当に言葉を失った」とし、Xに次のように書いた。 「航空会社の経営陣は、これを精査しなかったのか?」 「航空機を使ってビルを攻撃した9/11の惨事を知らないのか? これが同じように受け止められると考えなかったのか」 PIAはこの件でコメントを出していない。 PIAが物議を醸したのは初めてではない。 Xでは一部のユーザーが、1979年のPIA広告について指摘している。その広告では、WTCのツインタワーに旅客機の影が映っている。 2017年には、パキスタンで最悪規模の航空事故が起きた後、PIAの社員が不運を追い払おうとヤギをいけにえにささげたことで嘲笑された。 2019年には客室乗務員に対し、スリムにならなければ地上勤務になると告げ、波紋を広げた。客室乗務員らは当時、6カ月以内に「余分な体重」を減らすよう言われていた。 (英語記事 Pakistan Airlines ad shows plane flying at Eiffel Tower)