兵庫県内の障害者福祉施設の女性従業員(当時16)が摂食障害に陥り、昨年12月に低栄養状態で死亡した。 これらは、生前に受けた県警と神戸地検の違法な捜査や勾留が原因だとして、施設の運営法人の理事長を務める母親が県と国に対し、約1億円の損害賠償を求める国家賠償請求訴訟を起こした。 神戸地裁で21日、第1回口頭弁論が開かれ、県と国は請求の棄却を求めた。 母親は意見陳述で「無実だと訴えます。(県と国は)娘が悪いことをしていないのであれば、謝ってください。裁判所は独立した立場で向き合ってほしい」と述べた。 訴状や母親の代理人弁護士によると、女性従業員は昨年2月に施設で開かれたイベント中、別の従業員と共謀して施設利用者のあごを複数回押さえつけたとする暴行容疑で、昨年6月17日に明石署に逮捕された。 女性従業員は当時の調べに容疑を否認し、「他の利用者にかみつこうとしたのを手を添えて止めただけ」などと説明したという。 逮捕・送検に伴う留置場での勾留は計18日間に及んだ。女性従業員はストレスから食事を十分に取れず、勾留中の7月3日には嘔吐(おうと)して倒れて救急搬送された。 翌4日に処分保留で釈放され、7月7日付で不起訴処分となったという。 女性従業員はその後、急性ストレス障害(ASD)や心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。 食事をとることが困難な状態が続き、治療を重ねたが、昨年12月14日に低栄養状態で死亡した。 原告側は、16歳だった女性従業員に証拠隠滅や逃亡の恐れはなく、逮捕や勾留は要件を満たさず違法だと指摘。弁護人が勾留時に差し入れた「被疑者ノート」からは、取り調べの際に「本当はやったんだろう。正直に言え」などの自白の強要や誘導が見受けられるとも主張している。(根本快)