こたけ正義感が「ピーターパン」をリーガルチェック。「ネヴァーランドに来てくれないか」は、違法出国と誘拐罪の可能性がある?【インタビュー】

親に読み聞かせしてもらったり、自分で絵本を読んだりと、誰もが幼い頃から親しんできた昔話。昔から脈々と読み継がれてきたそんな昔話をよくよく見ると、実は違法行為だらけだったとしたら……?本記事では、お笑い芸人兼弁護士のこたけ正義感さんに、弁護士の目線で「桃太郎」をリーガルチェックしてもらいました。こたけさんが時空を超えて登場するマンガを通して、昔話の違法性を暴き出します。作画を担当したのは、イベント体当たり体験レポマンガでお馴染みの山本科学さんです。――「桃太郎」に続いて、「ピーターパン」をリーガルチェックしていただき合法的な昔話になりました。おそらく世間一般にはピーターパンを映画で見て知る人が多いのではないでしょうか。こたけさんはピーターパンを見て「違法だなあ…」と思ったことはありましたか?こたけ正義感さん(以下、こたけ正義感):僕がピーターパンを見ていたのは小学校の低学年くらいまでだったので違法だなと思ったことはありませんでした。今回のピーターパンを見て、僕も成長したなぁと思いました。――子どもたちに読み聞かせをするウェンディにピーターパンが「ネヴァーランドに来てくれないか」と誘惑するシーンから始まります。ウェンディは20歳未満のため、両親の許可なしに国外へ、さらには出国手続きもせずにネヴァーランドなる場所に行くとなると法律に引っ掛かる部分がいくつかありそうです。解説をお願いします。こたけ正義感:まずは未成年者誘拐罪が考えられます。またどの国でも出国、入国について手続を定めており(日本で言うと出入国管理法)今回はその両方で法律違反を犯すことになります。――無事に親の許可を得たウェンディは、ティンカーベルの魔法によって空を飛んでネヴァーランドに行くようです。そこでこたけ正義感さんが「航空法違反の可能性があります!」と言って、政府に許可を得ることにしました。どうやらカナダでは風船で空を飛んだ男が航空法違反等で起訴された事案もあるようです。今回の場合、政府にはどのような方向で許可取りをするのがよさそうでしょうか?こたけ正義感:すみません。具体的な手続のことまではわかりません。――フック船長が営むハンバーグ屋さんの屋根を破壊しながら墜落したこたけさんとウェンディ。フック船長に「店の穴を塞ぐ金がないのならここで働くしかないよな」と言われ、アルバイトをすることになっています。働くことを強要するフック船長は何らかの違法性に抵触しませんか?こたけ正義感:仮にフック船長が暴行や脅迫を用いてウェンディたちの意思に反して働かせようとしたのであれば強要罪にあたる可能性があります。またウェンディが中学生以下だとすると労働契約を結ぶこと自体違法になりますし、中学を卒業していたとしても未成年を働かせる場合、労働時間やその内容などについて労働基準法の規制を受けることになります。――変身したペーターパンの刃からこたけさんを守ったのは胸にしまっていた六法全書でした。ポケット六法ではなく、六法全書です。ある出版社の六法全書は、約6600ページ、重さ4キロ、厚さ15センチのようです。ともあれ、ピーターパンが行った攻撃行為=犯罪行為が現行犯であったため、私人逮捕が認められる形となって終着しています。私人逮捕について気をつける点など、解説をお願いします。こたけ正義感:「逮捕」は通常、捜査機関が裁判所の令状に基づいて行う手続ですので私人が逮捕をすることはできないのが原則です。しかし「現行犯逮捕」の要件を満たせば例外的に私人による逮捕が認められています。このとき、それが本当に「現行犯」かどうかについて注意が必要です。具体的には、犯行そのものを目撃していたか、それに近いような、例えば「犯人が逃げたぞ!」と追われていたり、明らかに犯罪に使ったであろう凶器を持っている人間を目撃していた場合のみです。さらには、一定の刑罰が軽い犯罪については現行犯であっても犯人が逃げるおそれもなく身元がはっきりしている場合は現行犯逮捕が許されないことにも注意が必要です。以上、リーガルチェックをありがとうございました!

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