オランダ、スウェーデン、英国――いずれも王室があり、女性が国家元首になることが珍しくない国だ。彼らは日本の「皇室」と「改正皇室典範」をどう捉えているのか。* * *「不自然ですし、時代遅れです。日本にもかつて女性の天皇がいたのに、なぜいまこの変更なのか、理解できません。オランダでは男女は対等だという感覚が強いので、なおさらそう感じます」 オランダ出身のハナ・スカルファーさん(45)は不思議そうに、そう言った。 スウェーデン出身のオスカル・ブレケルさん(41)の意見はこうだ。「時代が変わったのですから、女性になってもらうほうが自然だったのではないでしょうか。日本人自身が決めることで、外国人の自分が口を出すことではないですけれど……」 英国在住のブライアン・エドワーズさん(79)はこう話す。「男女は平等であるべきです。男性だから、女性だから、優れているということはないはずです」 英国ではサッチャー氏、メイ氏、トラス氏と、3人の女性首相も誕生している。「性別ではなく能力で選ばれた3人です。今の社会に、役職について男女どちらであるべきかという議論は成り立たないでしょう」(エドワーズさん) 3人が首をかしげるテーマは、10月24日に施行される「改正皇室典範」について。ことに、改めて皇位継承を「男系男子」に限った点について、「理解しがたい」というのが、率直な感想のようだ。 オランダ、スウェーデン、英国と、3国とも王室がある。王位継承について、性別関係なく第1子が継ぐほうが、男女平等を謳う国際社会の感覚としてしっくりくる、というのはうなずける。■オランダ「女王がいるのは普通のこと」 オランダが王位継承法を改正し、女性も男性と平等に第1子が優先して王位を継げるようにしたのは1983年のこと。それ以前は男子優先だったが、1890年から2013年まで、3代にわたって女王が国家元首を務めた。ウィルヘルミナ氏から娘のユリアナ氏へ、そしてその娘のベアトリックス氏へ――。ハナさんが生まれた1980年は、ベアトリクスが母から王位を引き継いだ年だ。 女性が国家元首を務めることをどう考えるか。そう尋ねると、スカルファーさんは苦笑交じりにこう答えた。「その質問が女性の元首を“普通でないもの”として扱っているよね。女王がいるのは普通のこと。特別と思ったことは一度もない」 女王がいることが普通――。2013年、ベアトリックス氏が退位し、息子のウィレム・アレクサンダー氏が国王に即位したときは違和感すら覚えたという。