警視庁高尾署に勾留されていたトルコ国籍のクルド人の男性が死亡したのは、適切な診療を受けさせなかったことが原因だなどとして、男性の遺族がきょう(27日)、東京都などに5700万円あまりの賠償を求める訴えを東京地裁に起こしました。訴えを起こしたのは、入管難民法違反の疑いで警視庁高尾警察署に逮捕・勾留され、その後死亡したトルコ国籍のクルド人、ムラット・チチェックさん(当時48)の遺族です。訴えによりますと、ムラットさんは今年6月、八王子市内の高速道路で車を運転中に事故を起こした際、在留カードを携帯していなかったとして警視庁に現行犯逮捕されました。ムラットさんは勾留中だった7月1日に腹痛を訴え、高尾署が嘱託するクリニックを受診。その際、虫垂炎と診断されて留置場に戻りましたが、翌日の朝、トイレで仰向けに倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡しました。ムラットさんの死因は、腸に穴が開いたことによる腹膜炎でした。ムラットさんの遺族側は、高尾署の嘱託医が規模の大きい医療機関に移すよう指示を出すべきだったとし、体温が34度台まで下がるなどしていたのに高尾署が医療機関に搬送する義務を怠ったとして、高尾署が嘱託するクリニックと警視庁を管理する東京都にあわせて5700万円あまりの賠償を求めています。警視庁は「訴状が届いていないので、コメントは差し控える」としています。