韓国のソウル西部地方裁判所は19日未明、内乱などの容疑で15日に逮捕された韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の拘束継続を認める令状を発付した。その後、裁判所周辺でデモをしていた尹氏支持者らが暴徒化。裁判所の建物に侵入し、窓ガラスを割るなどした。 少なくとも45人が逮捕されたといい、韓国メディアは「無法地帯」「憲政史上、類を見ない事態」などと伝えている。 ソウル西部地方裁判所では18日、令状審査が行われ、尹氏も出席した。同日から周辺では尹氏を支持する人々が集まりデモを展開。韓国メディアによると、約4万人が集まった。 19日午前2時50分ごろ、裁判所が令状を発付すると、支持者らは警察の規制線を越え敷地に進入した。朝鮮日報などによると、支持者は「これは内戦だ」などと叫び、100人以上が敷地内に流れ込んだ。一部の支持者らは警察から盾などを奪い、裁判所の窓ガラスなどを破壊。さらに同3時20分ごろに建物内部に進入した。 内部では「尹錫悦大統領!」などと叫び、テレビや自動販売機などを壊した。一部は令状を発付した裁判官を探して5、6階まで侵入。内部の様子を撮影し、中継するユーチューバーもいた。さらに警察官に対したたいたり、消火器を噴射したりした。 警察は同3時半ごろ追加の人員を配置して態勢を立て直し、支持者らを取り押さえ、同5時までには全ての支持者を建物の外部に連れ出した。 聯合ニュースによると、支持者の暴徒化に先立ち、18日に塀を越えて裁判所の敷地に進入したり、警察に暴行を加えるなどしていた40人が建造物侵入容疑などで現行犯逮捕された。報道陣を暴行し、逮捕された人もいた。【ソウル日下部元美】