人気の低下が止まらない――米トランプ大統領が追い込まれている。中間選挙で「共和党が勝って当たり前」と目されていた赤い州・テキサスでまさかの民主党と票読みが拮抗しているのだ。"保守の牙城"で何が起きているのか? そしてこの異変は全米に広がるのか? アメリカ在住の日本人スタンダップコメディアン・Saku YANAGAWA氏が現地取材! 【11.3 アメリカ中間選挙①】【敬虔な信徒が掲げる「アフォーダビリティ」】11月3日(現地時間)に行なわれる中間選挙を前に、アメリカでは共和、民主両党の選挙戦がいよいよ大詰めを迎えている。中間選挙は、大統領そのものを選ぶ選挙ではないものの、現政権の最初の2年間を有権者がどう評価するか、その「通知表」としての意味合いが大きい。今回、問われるのは第2次トランプ政権の2年間だ。判断材料は、物価や家賃、ガソリン価格などの経済問題から、イラン戦争や「トランプ関税」、ICE(アメリカ合衆国移民・関税執行局)による移民摘発、エプスタイン文書やトランプ一族の金銭問題まで多岐にわたる。そして今のところ、世間の評価は手厳しい。直近の世論調査では、トランプ大統領の支持率は31%。過去に中間選挙で大敗を喫した大統領たちの選挙前の支持率と比較しても低い水準だ。その逆風は、当然ながらトランプが所属する共和党全体にも及んでいる。前回、共和党が大勝した州でも接戦が相次ぎ、各地で苦戦を強いられているのだ。その苦境の中、共和党は中間選挙前としては史上初となる党大会をテキサス州ダラスで今年9月に開催した。壇上に上がったトランプが「私の名前が投票用紙に載っていると思って、投票所に行ってくれ。もし共和党が勝利したら全成人にひとり5000ドル(約79万円)を配る!」と大胆に宣言すると、テキサスの聴衆は大きな歓声を上げた。ところが、これまで共和党が勝って当然とされたこのテキサス州が今、選挙戦の大きな鍵を握る最重要地になった。2024年の大統領選において、トランプが14ポイント差で民主党のカマラ・ハリスを破ったテキサス州は、伝統的に共和党の強固な地盤とされ、最後に民主党が上院選で勝利を収めたのは1988年にまでさかのぼる。州全体の選挙でも30年以上にわたって共和党優位が続いてきた、まさに「牙城」だ。