ロシアのプーチン政権に批判的な論調で知られる露リベラル紙「ノーバヤ・ガゼータ」は30日、活動を停止すると発表した。1993年創刊の同紙は数々の調査報道を手掛け、2021年には当時編集長だったドミトリー・ムラトフ氏がノーベル平和賞を受賞。近年は政権の圧力が強まり、活動を縮小していた。ノーバヤ・ガゼータは30日、「われわれは殺された」とする声明を発表した。現編集長が当局に一時拘束されたほか、モスクワ市内の事務所からの立ち退きを命じられ、読者から寄付を受け付けるシステムも停止されて「あらゆる資源が断たれた」としている。声明は今回の活動停止について、検閲禁止を定めた憲法に政府が違反した「新たな証拠の一つに過ぎない」とし、そうした政府の違憲行為を報じてきたからこそ同紙が「殺された」と訴えた。英誌エコノミストによると、ノーバヤ・ガゼータがこのまま活動を続けると、当局から「過激派」に指定されてメンバーが逮捕される恐れが出てきたという。ノーバヤ・ガゼータは1999年に始まった露南部での第2次チェチェン戦争で起きた人権侵害を告発し、注目を集めた。同紙のチェチェン報道をリードした女性記者のアンナ・ポリトコフスカヤ氏をはじめ、同紙に所属していた記者6人が殺害されている。