大分大学に多額の損害を与えた疑いで胃がん研究の第一人者である医学部元教授が逮捕された背任事件で、背任行為につながった病理標本の不適正な作製は、医療法人の理事長が元教授に対し話を持ちかけていたことが、捜査関係者への取材で新たに分かりました。■理事長側から元教授に作製持ちかけか 口座への送金もこの事件は、大分大学医学部の元教授・村上和成容疑者(68)が、自身が理事を務める県内の医療法人の理事長と共謀し、2022年4月から1年間、大学に不適正に病理標本を作らせ、約3400万円の損害を与えた背任の疑いで10月27日に逮捕されたものです。捜査関係者によりますと、この病理標本の不適正な作製については理事長から村上容疑者に話を持ちかけたものとみられています。また、診療所が開院した2019年以降、この医療法人から村上容疑者の個人口座に、役員報酬として年間およそ100万円が送金されていたことが分かりました。さらに、村上容疑者が実質的に管理している任意団体の口座にも、検査費として年間200万円近くが、複数年にわたり送金されていたということです。任意で捜査を受けているこの医療法人の理事長は当初から事実関係を認めていて、警察は送金された金銭の趣旨を含めて裏付けを進めています。■大分大学が事件後初めて会見開くこの事件を受けて大学側は11月4日、初めて会見を開き陳謝しました。大学によりますと、警察からの情報提供で事態を把握し、学内調査を経て9月15日に告訴したということです。村上容疑者は2013年から消化器内科の教授を務め、胃がん研究の第一人者でした。大分大学・杉尾賢二総括理事:「村上容疑者は卓越した研究を行っていて、その成果もいろいろな所で発表、論文化している。そういう意味での評価は非常に高い先生でした」また、今回背任につながった病理標本の作製については、通常、病理部を通じて大学が診断とセットで行いますが、今回の事件に関する作製については申請自体がされていなかったということです。