“有木野”松田龍平にキスした男の正体も明らかに 『東京サラダボウル』で描かれた人身売買

「不法滞在者じゃない。その人たちも、一人ひとりの人間です」 レッテル貼りをせず、軽視することもなく、目の前の相手を1人の人間として尊重できているか。そのことが今、私たちに問われているような気がする。『東京サラダボウル』(NHK総合)第4話では、鴻田(奈緒)の外国人移住者一人ひとりの人生と真摯に向き合う姿勢が事件解決の糸口となった。 日本製の紙おむつを狙った万引き犯を逮捕するため、ドラッグストアで潜入捜査中にワンジェンビン(張翰)という在日中国人の男性と知り合った鴻田。彼女は店員として、赤ちゃんを育てているジェンビンと交流を深めていく。彼の家にいる赤ちゃんが、誘拐された国際カップル、原嶋幸次(浜野謙太)とユキ(高陽子)の息子である俊とは知らずに。 鴻田は先入観なくジェンビンと関わりを持ち、彼のことを良い父親だと思った。だが、その印象が揺らいだのは、ジェンビンが万引き犯を逮捕する鴻田の姿を見て、警察と分かった瞬間に逃げ出したから。後ろめたいことがあるのは確か。それでも、国際捜査を通じて異国で暮らす大変さを目の当たりにしてきた鴻田は「どうにもならないことがあったら、連絡して」と名刺を渡す。 一方、有木野(松田龍平)は引き続き、誘拐事件と戸籍売買の関連性について思考を巡らせていた。誘拐された俊と、幸次が借金返済のため、ラウンジ嬢のアリサ(Razel Ichimiya)を通じて売った戸籍が一体、何に利用されるのか。「人も食文化も国の境を行ったり来たりしてきたんだよね。辿り着いた場所で生まれ変わったりしながら」という鴻田の言葉を思い出した瞬間、点と点が繋がる。 ジェンビンと、彼の部屋にいたもう1人の中国人女性は赤の他人で、どちらも在留期間を超えて日本に滞在していた。彼らは、ある方法で手に入れた幸次の戸籍謄本(配偶者や子供の身分も証明でき、パスポートを取得できる)で、俊とともに家族を装い、正規のルートで日本を出国しようとしていたのだ。しかし、女性は出国直前で逮捕され、ジェンビンは俊を連れ、鴻田の名刺を頼りに東新宿署を訪れる。

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