外国人留学生の保険証を悪用して診療報酬をだまし取ったとして、警視庁は、会社役員の藤原勇気(43)=埼玉県志木市=、歯科医師の大石旭(61)=千葉県成田市=、団体職員の水谷旭宏(35)=愛知県蟹江町=ら5容疑者を詐欺容疑で逮捕し、2日発表した。認否を明らかにしていない。 国際犯罪対策課によると、逮捕容疑は共謀して昨年6月上旬、大石容疑者が設立した東京都江戸川区の歯科医院で、ネパール人留学生ら64人を診療したとする虚偽の診療報酬明細書を作成し、国民健康保険団体に提出。名古屋市などから診療報酬約165万円をだまし取ったというもの。 大石、藤原両容疑者が外国人派遣業の組合に勤める水谷容疑者に「無料で歯科検診をできるから日本語学校の生徒を集めて欲しい」と依頼。一昨年4月から複数回、愛知県内の日本語学校で歯科検診を行い、その際に留学生に提示させた国民健康保険証を撮影して悪用したとみられるという。 昨年6月、同庁に匿名の情報提供があり、発覚した。同課は昨年5月から10月に200人以上を診療したと偽り、診療報酬2千万円ほどだまし取ったとみている。(長妻昭明)