東京の表参道の宝石店で10年前に、約1億円の貴金属が奪われた事件を巡り、日本の警視庁が国際手配していたイギリス国籍の男2人について、イギリスの裁判所は日本への引き渡しを認めないとした一審の判決を取り消し、審理のやり直しを命じました。 この事件は2015年11月、渋谷区の「表参道ヒルズ」に入る宝石店「ハリー・ウィンストン」でダイヤの指輪など約1億の貴金属が奪われたものです。 警視庁はイギリス国籍の男3人について、強盗傷害などの疑いで逮捕状を取り、国際手配していました。 その後3人が別の事件で拘束されたため、日本政府が引き渡しを求めていましたが、イギリスの下級裁判所は2023年8月に、人権侵害を理由に引き渡しを認めないとする判決を言い渡しました。 ロンドンの高等法院は29日、ジョー・チャペル容疑者など2人について日本で人権侵害に直面する可能性は低いとして、一審の判決を取り消し、下級裁判所での審理のやり直しを命じました。