ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)第1話放送後、SNSでは様々な考察が飛び交っている。驚くのが、弁護士・松風を演じる松山ケンイチがSNS上で前のめりに考察合戦に参加していること。 「遠藤友哉」「赤沢刑事」「ムッチ先輩(神井)」「その他」の4択で、公開アンケートを実施し、「赤沢刑事」が49.8%の票数を獲得し最も怪しい人物という結果になっている。すでに第2回の開催も予告されているほか、「演者による考察と情報共有①」と題した600字近い長文を投稿しており、NHK連続テレビ小説『虎に翼』の際と同様に要注目のアカウントとなっている。 そんな考察が加熱する『クジャクのダンス』第2話は、遠藤友哉(成田凌)の過去に焦点を当てた物語。クリスマスイブの夜に山下家に放火し春生(リリー・フランキー)を殺害したとして、事件直後に逮捕された友哉視点での、東賀山事件が回想形式で描かれていく。 第1話で「真犯人を取り逃す不正義と冤罪被害者を処罰する不正義」が松風から語られていたが、友哉の父・力郎(酒向芳)は東賀山事件の犯人として冤罪をかけられ、死刑判決を受けたのではないか、と思える内容だ。黙秘権は容疑者にとって唯一にして最強の武器ではあるが、警察もそう甘くはない。力郎は“楽になる”ために容疑を認め、死刑判決を受けることになってしまったのではないかと、自分が同じ立場になりようやく理解する。裏切られ続けても、父親だけは「罪を犯していない」と信じている。「ただ、疲れたんだ。親父、悔しかったよな」と独房の中で涙を浮かべる友哉=成田凌の芝居に胸を掴まれる。 放送前に公開された場面写真から、今回成田が演じる友哉は謎深き殺人犯役として、映画『スマホを落としただけなのに』シリーズでのサイコキラーのような人物かと思われたが、“殺人犯の息子”という偏見から悲しき人生を送ることになったのだと見方が一変していく。それは逆も然りで、例えば先述したアンケートが示しているように、視聴者から最も疑いの目を向けられている刑事の赤沢(藤本隆宏)が友哉を殺人犯として容疑にかけているのは、別の目的があるからなのかもしれない……と、全てが怪しく思えてくるのが、本作である。