第97回アカデミー賞にて長編映画賞のドイツ代表としてノミネートされた、「聖なるイチジクの種」の本編映像がYouTubeで公開された。 「悪は存在せず」のモハマド・ラスロフが監督を務めた本作は、1丁の銃をめぐって家族の知らない顔が炙り出されていくサスペンススリラー。国家公務に従事する一家の主・イマンは念願の予審判事に昇進するが、業務は反政府デモ逮捕者に不当な刑罰を課すための国家の下働きだった。報復の危険が付きまとうためイマンには護身用の銃が支給されるが、ある日家庭内でその銃が消えてしまい、疑心暗鬼の念が家族を支配するようになる。ミシャク・ザラ、ソヘイラ・ゴレスターニ、マフサ・ロスタミ、セターレ・マレキが出演した。第77回カンヌ国際映画祭では審査員特別賞を受賞し、第82回ゴールデングローブ賞では非英語作品賞にノミネートされている。 公開された映像は、イマンが死刑執行の署名に葛藤するシーン。死刑執行する片棒を担ぐのか悩む彼に、最初は「署名しないで」と答えていた妻ナジメも、ようやく獲得した地位を守るために「検事の命令ならあなたに権限はない」「検事の責任でしょ」と、見て見ぬふりを促していく。 「聖なるイチジクの種」は2月14日より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開される。 (c)Films Boutique