コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、漫画家のやまもとりえさんが描いた『望まれて生まれてきたあなたへ』だ。 同作は、KADOKAWAコミックエッセイ編集部によるコミックエッセイとセミフィクションのシリーズ「シリーズ 立ち行かないわたしたち」の一作。物語は新生児遺体遺棄事件の犯人が、主人公の幼い頃の友達だったというショッキングな出来事から始まる。 やまもとさんのX(旧Twitter)に同作の一部が投稿されると、多くの人に注目されて1.7万もの「いいね」を獲得。そこで作者であるやまもとさんに、『望まれて生まれてきたあなたへ』を手がけたきっかけについて話を伺った。 ■凄惨な事件の犯人は小学校の同級生だった… ――ある日、職業不詳で31歳の「川端望」は死亡した女児を公園に埋めて遺棄したとして逮捕された。 家族から継いだ個人病院に勤務する小児科医の「まどか」は、院内のスタッフが新生児遺体遺棄事件の報道を見ながら「生きたまま埋めたのかなー」「てか あの顏 見てみ 無表情すぎん?」と会話しているところに居合わせる。まどかもテレビに目線を送ると、そこには小学生の頃に仲が良かった友達の「のぞみ」の姿があった。 その後、勤務中にのぞみとの記憶が蘇り、おもむろにスマートフォンで新生児遺体遺棄事件について調べるまどか。事件の詳細に加え、犯人やその親を非難するコメントなどが流れてくる。そして、まどかは、のぞみと過ごした時の記憶を思い返し始め…。 苦しくて切ない物語に対し、読者からは「こういった現実が実際にあると思うと考えさせられる」「家庭環境がいかに大切かを思い知らされた」など様々な反響が寄せられていた。 ■花の名前が分からない場面…ここにも“格差”が隠れている? ――『望まれて生まれてきたあなたへ』を創作したきっかけや理由があればお教えください。 担当編集さんから「子供たちの格差を描いてほしい」と依頼がありました。最初は「格差」という言葉にピンときてなかったのですが、思い出の中の友人に、人生を選ぶことも叶わなかった子たちがいたことを思い出し、それをふくらませる形で描きました。 ――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。 なるべく2人の日常をそのまま切り取って見せてるように描きました。その方が、読んだ方の経験に重ねやすいかなと思ったので。 ――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。 まどかが、のぞみの母親に花の名前を聞き、「わからんわー」と答えているシーンかな?まどかは家に図鑑があってすぐに調べられるので、「格差ってこういうことも含まれてるよね」ということを描きました。 ――今後の展望や目標をお教えください。 映画好きな担当さんを喜ばせたいので、作品の映画化を目標にしています。 ――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。 読んでくださる方がいるから描かせてもらえています!本当ありがとうございます!! 2月14日バレンタインに新刊『べつに友達じゃないけど』が発売予定です!よろしくお願いします!!!!!