石川県内に住む60代の女性が警察官などを名乗る男らから3億円をだまし取られる被害にあっていたことがわかりました。 石川県警によりますと石川県内に住む60代女性のもとに去年9月、「あなたの携帯電話から迷惑メールが大量発信されており対処しなければ携帯電話が使用不能になる。」という自動音声の電話がありました。 音声案内に従い番号を押すと総務省の職員を名乗る男が出て「迷惑メールに心当たりがないなら別に契約した人がいるのでそれを管轄する警察に被害届を出してほしい。」と女性に話したということです。 その後、管轄の警察を名乗る男らから電話があり「特殊詐欺の主犯を逮捕したところあなたの通帳が発見された。」などと言われ、女性の口座でネットバンキング機能を使えるようにすることと、暗号資産の口座の開設を指示されました。 その翌日、今度は検察を名乗る男から電話があり「あなたが犯罪を行っていないことを証明するために、あなたの資産を警察が指定する口座に送金し紙幣を調べる必要がある。」などと言われたため、女性は自らが開設した暗号資産の口座に32回に分けて現金3億円をネットバンキングから送金したということです。 この暗号資産の口座のメールアドレスやパスワードは全て警察を名乗る男らが管理していたため、女性は金を引き出すことなどができませんでした。 今年に入り、この男らから連絡が途絶えたことから女性が不審に思い警察に相談したところ事件が発覚しました。 石川県警によりますと今回の特殊詐欺被害額は、県内で統計を取り始めた2004年以降で過去最悪の被害額だということです。県警は電話でお金の話が出たら1人で判断せず周囲に相談するよう呼びかけています。