5日午前。大阪府警の捜査員の姿は、東京・新橋駅前そばのビルの中にありました。多くのチケットショップが店を構えるビル内で家宅捜索に入ったのは、東京都港区「チケットキャビン」の3店舗です。 捜索は午前10時半ごろから始まったとみられ、店内には従業員の姿も‥。店側は捜査員に言われるままにシャッターを閉め、白手袋をした捜査員が陳列されたチケットなどを確認していました。 ■大阪で先行摘発 不正に発券された新幹線チケットをめぐって、警察は去年11月、大阪の系列店「チケットジャパン大阪駅前第3ビル店」を摘発。 不正な新幹線チケット263枚およそ360万円相当を4割ほど安く買い取ったとして、店長の風呂美弘被告(:(61):)が盗品等有償譲受けなどの罪ですでに逮捕・起訴されています。 捜査関係者によりますと、東京・新橋の「チケットキャビン」でも風呂被告から譲り受けた不正に発券された新幹線チケットが販売されていたとみられ、盗品等有償譲受けなどの疑いで営業部長の50代の男を逮捕したということです。 ■「QRコード」が媒介か… 事件をめぐってはチケットを不正に発券した男4人もすでに摘発されていて、男らは他人のクレジットカードで不正に購入された発券用QRコードを中国のSNS上から入手。 日本国内のJR駅の券売機でチケットを発券し、それらを風呂被告のもとへ持ち込んで売却していました。 風呂被告が買い取ったチケットは、東京・新橋の系列店でも販売されていたとみられ、警察は組織ぐるみの犯行だったとみて捜査しています。 不正に発券された新幹線チケットをめぐっては警視庁や広島県警でも摘発が相次いでいて、JR東海によると、昨年1~9月だけで約8億7000円分の不正購入を把握しているということです。 こうした事態に、全国のチケットショップで作る組合では、予約サイト経由で購入された新幹線チケットは買い取らない運用に決め、組合加盟店での利用を呼び掛けています。