おととし、和歌山市の演説会場で、岸田前首相らに手製の爆発物を投げ込み、殺人未遂などの罪に問われている男の裁判員裁判で、爆発物の専門家が「殺傷能力はある」と証言しました。 木村隆二被告(25)は、おととし4月、和歌山市の岸田前総理の演説会場で、爆発物を投げ込み、演説を妨害した現行犯で逮捕され、殺人未遂など5つの罪に問われています。 4日の初公判で木村被告は、爆発物を製造したことは認めたものの、「殺意はありません」と起訴内容を一部否認しました。 爆発物の殺傷能力が焦点となる中、爆発の威力の実験をした専門家は5日、「殺傷能力があると思います」と証言しました。 実験は木村被告の自宅から押収された黒色火薬と、警察が用意した鉄パイプを使って行われました。 専門家によると、銃弾が「4ミリのベニヤ板2枚を貫通すると殺傷能力がある」とされる中、実験では、爆発した破片が厚さ9ミリのベニヤ板を貫通したということです。 6日は木村被告への被告人質問が行われ、判決は2月19日に言い渡されます。