静岡県で一家4人が殺害されたいわゆる袴田事件の再審(やり直し裁判)で9月26日、無罪判決を受けた袴田巌さん。8日には最高検察庁の畝本直美検事総長が控訴しないとし、晴れて無罪が確定した。1966年の事件発生から数え、58年。あまりにも理不尽で長い闘いの日々だった。 一度は死刑判決を下されながらの冤罪。結果は最善だったが、実質はどうだったのか…。裁判官は判決にあたり、証拠ねつ造も認定した。半世紀以上にわたり、法廷を揺るがした冤罪事件。「冤罪学」の著書もある西愛礼(にし よしゆき)弁護士に、今回の「無罪確定」の率直な評価を聞いた。