未発見の妻の遺体を遺棄した疑い、35歳夫逮捕 殺人容疑視野に捜査

妻の遺体を遺棄したとして、大阪府警は10日、大阪市中央区龍造寺町の無職、黒木佳史容疑者(35)を死体遺棄容疑で逮捕し、発表した。遺体は見つかっていないが、府警は「防犯カメラ映像や関係者の証言をもとに、死亡し遺棄された疑いが強いと判断した」としている。黒木容疑者は「今は何も言えません」と述べているという。 捜査1課によると、黒木容疑者は知人の30代の男と共謀し、2024年6月5日ごろ、同居する妻でアルバイトのいずみさん(当時52)の遺体を自宅から運び出して車に積み、岡山県内やその周辺まで運搬して隠し、遺棄した疑いがある。 自宅付近の防犯カメラには同日、黒木容疑者と男とみられる2人が袋に入った大きな荷物を車に積み込む様子が映っていたという。府警は遺体を積み込んだとみている。 また、男の知人への聴取で「『死体を袋に入れて岡山まで車で運び、ダムに捨てた』と(男が)言っていた」との証言が得られたという。 府警はこれらの情報を踏まえ、遺体が未発見の状態であっても、死体遺棄容疑での立件が可能と判断したという。黒木容疑者については殺人容疑も視野に調べる方針。 一方、知人の男は事件後の6月に死亡が確認されたが、府警は捜査の結果、自殺と判断したという。 いずみさんは5月26日午後2時ごろに退勤した後、黒木容疑者とみられる人物と自宅方向へ歩く姿が付近の防犯カメラに映っていた。だが同日午後10時ごろ、「男女の争う声が聞こえた」との近隣住人からの通報を受けて警察官が自宅を訪れた際は応答がなく、姿が確認できなかった。親族から6月22日に捜索願が出されていたという。(田添聖史)

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