三重県津市の水道管工事を巡る贈収賄事件で、市内の水道業者組合が一昨年9月頃、「市の発注が特定業者に偏っているのは不自然」として、市に改善を求めていたことが分かりました。 津市の上下水道事業局に務める中村一男容疑者(56)と松岡泰成容疑者(51)の2人は、工事委託先の選定で、新英工業に有利になるよう便宜を図った見返りに洗濯機などの物品を受け取ったとして、12日に収賄の疑いで逮捕されました。 また、新英工業社長の新居利英容疑者(50)は贈賄の疑いで逮捕されています。 13日、津市の2人が務める上下水道事業局には段ボールなどを抱えた警察の捜査員12人が家宅捜索に入り、関係書類などを押収しました。 関係者によりますと、緊急性のある水道工事は市と契約を結ぶ組合を通して発注業者が決められていますが、2人は組合を通さず、新英工業に直接発注していたとみられています。 その後の津市への取材で一昨年9月頃、水道業者の組合が「発注が特定業者に偏っているのは不自然」として、市に改善を求めていたことが新たに分かりました。 直接の発注は一時的に改善されましたが、次第に再開されたということです。 なお、3人は津市の工事を新英工業が実施したと偽装して市から代金をだまし取った詐欺の疑いで、1月に逮捕され、12日に起訴されました。