2023年に青森県八戸市の病院で発生した殺人事件で、警察は事件を隠ぺいしようとしたとして、当時の院長と主治医の男あわせて2人を逮捕しました。 警察はこれに加えて、殺害された男性患者の治療を巡り、医師法違反の可能性も含めて捜査しています。 ■逮捕されたのは当時の院長と主治医の兄弟… 今野七海 記者 「自宅から理事長がでてきました。捜査車両に乗り込みました。男は当時、病院の院長でした」 逮捕されたのは2023年に、「みちのく記念病院」で殺人事件が起きた当時の院長・石山 隆容疑者(61)と、殺害された患者の主治医だった弟の哲容疑者(60)です。 警察によりますと、2人は2023年3月13日、病院に入院していた男が同じ病室の男性患者を歯ブラシの柄で突き刺して殺害したことを知ったにも関わらず、遺族へ虚偽の死亡診断書を交付するなどして、犯人を隠避した疑いが持たれています。 警察によりますと、殺人事件が発覚したとき、2人は夜間で病院にはいませんでしたが、報告を受けてその後、関係者に診断書を作成させたということです。 病院は、診断書では男性の死因を「肺炎」としていましたが、実際には頭部と顔面を損傷したことによる失血によるものでした。 警察は、病院や当時の院長の自宅などを捜索して、2人の役割や動機などを調べる方針です。 さらに、当時、殺害された男性患者の治療は医師の診察がないまま看護師によって行われていたことから、医師法違反の可能性も含めて捜査しています。 ■遺族関係者「話にならない病院」 元同僚医師「利益第一主義ともいえる指示に不信感」 当時の院長と主治医が逮捕された今回の事件では、病院側の対応に遺族の関係者は「話にならない病院だ」と不信感を募らせています。 殺人事件から約2年。みちのく記念病院には14日、警察の捜査が入り、犯人隠避の疑いという新たな局面に入りました。 殺害された患者の遺族は、事件の発生当時、病院側の説明に納得できず「病院側がなぜこういうことをしたのか知りたい」と苦しい胸の内を明かしていました。