和牛を「カンボジアに輸出」と申告→実際は香港か 福岡市の貿易会社・中国籍の代表ら3人を逮捕 輸出費用おさえ煩雑な手続き回避するねらいか

和牛をカンボジアに輸出すると税関に申告しながら、実際には規制が厳しい香港に輸出していたとして福岡市の貿易会社の中国国籍の代表ら3人が20日までに逮捕されました。 ■黒毛和牛の冷凍牛肉 およそ30トン2億4000万円相当 逮捕されたのは、福岡市早良区の永佳貿易合同会社の代表で中国国籍の孫永超容疑者(53)、中国国籍で会社役員の王恩念容疑者(71)ら3人です。 3人はおととし9月と10月に、黒毛和牛の冷凍牛肉、あわせておよそ30トン2億4000万円相当をカンボジアに輸出すると税関に申告したにも関わらず、香港へ不正に輸出するなどした関税法違反などの疑いが持たれています。 香港に輸出するためには通常の輸出手続きとは別に香港の機関が承認した日本の認定施設で食肉を加工し証明書を得る必要があります。 容疑者らは輸出先をカンボジアに偽装することで、この手続きを回避し、輸出費用を抑える意図があったとみられます。 警察は3人の認否を明らかにしていません。 ■牛肉の輸出条件 牛肉を輸出するには衛生証明書を提出するなど規定された輸出条件があります。 農林水産省によりますと、香港に輸出する場合は、国内に14か所ある認定された食肉処理施設で解体・加工されていること。 食肉衛生証明書と、輸出検疫証明書を取得する必要があります。 ■カンボジアと日本には取り決めがない 一方、カンボジアと日本ではこういった衛生管理など二国間の取り決めがなく、必要なものを現地で確認すればよいとされています。 実際に、農林水産省のホームページで香港に牛肉を輸入する要項をプリントアウトしてみると・・・61枚ありますが、カンボジアはありませんでした。 ■煩雑な手続き回避するねらいか 逮捕された中国籍の男らは冷凍牛肉の輸出先を手続きが比較的簡単なカンボジアと偽って、香港経由の貨物船に積み、実際は香港に輸出していたということです。 警察は輸出先を偽装することで煩雑な手続きも回避する意図があったとみています。

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