宮城県の白石市発注の配水池の改修工事をめぐり、市職員が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された事件で、白石市の山田市長は20日、緊急の会見を開き謝罪しました。 この事件は、白石市上下水道事業所の工務係長平間大地容疑者(36)がおととし9月、市が発注した配水池の改修工事の予定価格などを「草刈工務店」の社長草刈俊彦容疑者(63)に伝え、公正な入札を妨害した疑いが持たれているものです。警察は2人の認否を明らかにしていません。 記者リポート(19日夜) 「午後11時36分です。家宅捜索を終えた捜査員が押収品を入れた段ボールを持って事業所から出てきました」 警察は19日夜、白石市役所と上下水道事業所を捜索し、入札に関する書類などを押収しました。逮捕を受けて白石市はきょう会見を開きました。 白石市 山田裕一市長 「市民の皆様をはじめ多くの皆様に大変ご迷惑をおかけしました。心よりお詫び申し上げます」 平間容疑者は予定価格のもととなる設計価格の算出を担当していて、市は設計価格から予定価格を推測し、伝えた可能性があるとしています。 白石市上下水道事業所 高橋尚子所長 「予定価格に関しては、市長が作成したものを上下水道事業所内の鍵付きの金庫に入札当日まで保管して管理している状況でした」 白石市 山田裕一市長 「私が予定価格を記入して、その場で私がノリ付けをして、しかも押印します。執行されるまでは開くことができない状況にありますので、私とか所長が数字を漏らすことは100パーセントあり得ません」 警察が、入札の詳しい状況などを調べています。 こうした中、白石市の入札で「草刈工務店」と競合したことがあるという同業者が匿名を条件に仙台放送の取材に応じました。 同業者(音声は加工しています) 「3年くらい前から白石市の入札に参加しているが、入札参加するたび、今回も草刈工務店がいたらまたいつもみたいに安くとっていくから無理かなと、半分諦めながら入札していた。うちが参加している入札では、草刈工務店が入っていたら、草刈工務店がほぼ9割くらい取っていた」 白石市が公表している入札結果によりますと、今年度を含めた過去2年間、草刈工務店が参加した公共工事の入札は合わせて23件あり、このうち11件を草刈工務店が落札しています。