広島市佐伯区で2021年に知人男性を殺害し、遺体を切断、遺棄したとして、殺人と死体損壊、死体遺棄の罪に問われた佐伯区皆賀3丁目、無職渡部大地被告(32)の裁判員裁判の初公判が21日、広島地裁で始まった。渡部被告は「(男性を)殺していないし、解体もしていない」と殺人と死体損壊罪について無罪を主張。「遺体を2度にわたり捨てたことは認めます」と死体遺棄罪については起訴内容を認めた。 起訴状などによると、渡部被告は21年10月29~30日、佐伯区千同3丁目の親族宅で、同区藤の木1丁目の警備員植木秀俊さん=当時(70)=の顔をコンクリートブロックのような物で殴って殺害し、遺体を包丁のような物で切断。遺体の一部を住宅の庭に埋め、一部を佐伯区または周辺の海岸に投棄し、さらに23年4月下旬、庭から遺体の一部を掘り起こして海岸に投棄した疑い。 広島県警によると、21年10月31日に植木さんの親族が佐伯署に行方不明届を出していた。21年11月に山口県周防大島町の海岸で右足の一部、23年4月には佐伯区の海岸で両腕のない一部白骨化した上半身が見つかり、いずれも植木さんの遺体と判明した。広島県警は23年10月、渡部被告を死体損壊と死体遺棄容疑で逮捕し、殺人容疑で再逮捕した。