ジーニアス法成立、米ステーブルコイン規制が前進──トランプ大統領が署名

トランプ大統領は18日、ステーブルコイン発行者向けのルールを正式に定める法案「Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins(GENIUS)Act(ジーニアス法案)」に署名、同法案は法律として成立した。暗号資産(仮想通貨)市場のより広範な規制整備への第一歩となる。 ホワイトハウス・イーストルームに集まった暗号資産業界のエグゼクティブたちを見守るなか、トランプ大統領は、ジーニアス法案に署名した。法案は、17日に下院で賛成308票、反対122票の大差で可決され、その前には上院でも68対30で可決されていた。これは、民主党からの圧倒的な支持を示している。 トランプ大統領は、コインベースのブライアン・アームストロング氏、テザーのパオロ・アルドイノ氏、サークル社のジェレミー・アレール氏、ジェミナイのキャメロン・ウィンクルボス氏、タイラー・ウィンクルボス氏、クラーケンのデイブ・リプリー氏、チェーンリンク社のセルゲイ・ナザロフ氏など、業界リーダーや議員たちで埋め尽くされたイーストルームに入場した。 「おめでとう。皆さんは、バイデン政権が皆さんが話す内容をまったく理解できず、皆さんの半数が逮捕されていた頃から、長い道のりを歩んできた」と大統領はまずジョークを述べた。 トランプ大統領は、閣僚たち、そして法案の成立に尽力した議員、式典に出席した業界リーダーたちの名前を一人ずつ呼び上げ、功績を称えた。 「言わせてもらおう。暗号資産コミュニティは長年、嘲笑され、無視され、見捨てられてきた。わずか1年半前まで、あなたたちは見捨てられていた。だが、この署名はきわめて大きな承認だ」 ジーニアス法はこのあと、さまざまな規定を実施する金融・銀行当局に送られる。規制当局が法律を実行するまでには時間がかかる可能性がある。だが少なくとも業界に、今後の広範なロードマップを提供している。 トランプ大統領は自身を「暗号資産大統領」と呼び、政権は業界の「黄金時代」の到来を繰り返し呼びかけてきた。ジーニアス法が成立した今、焦点は、暗号資産の多様な形態、取引プラットフォーム、プロジェクトに対する適切な監督を定義し、連邦機関にこれらの市場監督の新たな役割を付与する立法の成立という、より大きな課題に移っている。 17日には下院で「デジタル資産市場明確化法案(クラリティ法案)」が294対134で可決され、審議は上院に移る。 上院は、法律の草案をまだ公表しておらず、成立時期は依然として不透明だ。ただし、上院は9月30日を期限としている。 |翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部|画像:署名式でのトランプ大統領(Nik De/CoinDesk)|原文:Trump Signs GENIUS Act Into Law, Elevating First Major Crypto Effort to Become Policy

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