【ソウル=桜井紀雄】韓国外務省は22日、島根県が「竹島の日」の記念式典を開き日本政府が内閣府政務官を派遣したことに対し、在韓日本大使館の實生(みばえ)泰介総括公使を呼んで強く抗議した。 韓国外務省は、同国が「独島(トクト)」と称して不法占拠する竹島について「日本が不当な領有権の主張を繰り返している」と批判する報道官声明も出し、「竹島の日」式典を「即刻、廃止」するよう要求。日本に対して「謙虚な姿勢で歴史を直視すべきだ」と強調した。 韓国の保守系の尹錫悦(ユンソンニョル)政権は安全保障分野などで日本との協力を強化する一方、領土問題では譲歩しない姿勢を鮮明にしてきた。韓国が「独島防衛」をうたい、竹島周辺で年2回ずつ行ってきた軍事訓練も欠かさずに実施。2022年の尹政権発足以降、昨年12月まで計6回行われ、日本側の抗議も取り合わない立場を貫いてきた。 尹大統領は「非常戒厳」宣布を巡り、弾劾訴追や逮捕・起訴されており、今後、革新系への政権交代があれば、韓国側が竹島問題で一層強硬姿勢になる可能性が高い。