日本では闇バイト対策として、偽造した身分証を提示して身分を秘匿する「仮装身分捜査」が1月からようやく実施され始めたが、ブラジルでは覆面警官が路上カーニバルに仮装して参加し、セルラー泥棒などを続々と現行犯逮捕して手柄を立てている。 24日付のG1などによると、23日(日)、メキシコの人気キャラクター「チャポリン・コロラド」と神父に扮した警官のコンビが、サンパウロ市内中心部のコンソラソン地区で行われたブロッコ(路上カーニバル)に潜入し、盗難容疑の34歳男性を逮捕した。6台の携帯電話を押収し、そのうち2台は無事に持ち主に返還された。容疑者は警察署に連行され、窃盗罪で拘留された。 この覆面警官は、容疑者がブロッコの参加者を携帯電話で撮影している様子を目撃し、他にも携帯電話が詰まったバッグと財布二つを持っていたのを見て、不審に思い追跡を始めたという。しばらくして、容疑者がある女性の携帯電話を盗もうとする瞬間を目撃した警官が、すぐに接近し、対応にあたった。 仮装して一般人になりすましブロッコに潜入する作戦により、先週末だけで7人が逮捕され、30台の携帯電話が回収されたという。 サンパウロ州保安局(SSP―SP)によれば22〜23日に、州全体で880件の携帯電話盗難・窃盗が記録され、そのうち590件はサンパウロ市内で発生した。これは前年同期比で62%の減少を示しているものの、この種の被害は依然として後を絶たない。 サンパウロ市南部サントアマロ地区でも23日、16台の携帯電話を盗んだ2人組の女性が逮捕された。被害者の1人によると、ブロッコに参加している際、2人の女性が自分の前でジグザグに動き、まるで通り抜け方がわからないかのように振る舞った。その後、容疑者たちは被害者の右と左に立ち、両側から挟んで押し始めた。被害者はその直後、自分の携帯電話がポケットから消えていることに気づいたという。 その後、被害者は携帯電話の位置情報を追跡し、巡回中の警察官に助けを求めた。容疑者たちはジョアン・ジアス大通りにある店舗に隠れていたところを発見され、事情聴取で窃盗を認めた。 調書によれば、彼女たちはこのような犯罪を頻繁に行っており、携帯電話を売るつもりだったと話した。これまで一度も逮捕されたことはなかったという。 さらに、ピニェイロス地区では37歳の男が腰に7台の携帯電話を所持しており、さらに女性の携帯電話を盗もうとしていたところを現行犯逮捕された。レプブリカ地区でも1人の男が同様の犯行で逮捕された。